お腹が空いたので少し注文しながら待っているとパパが上がってきた。
そこで今後の相談だ。
昨夜のTACの駐車場ではあるまいし、流石にホテルが併設されている温泉の駐車場で停めてもらうわけにはいかない。
そこで、どうしても
十勝岳温泉凌雲閣まで行くのなら、この後そこまで走ってそっちで停まれる場所を探したらどうか。
スマホで凌雲閣を調べたところ、どうも凌雲閣のすぐ横にたぶん登山用と思われる公共の駐車場があるようだ。トイレもあるし、今夜はここに泊まったらどうだろう。
ちょうどジグソーパズルで希望のピースが全部はまったようなアイデアだったが、何故かカナが反対した。
「泊まるのキャンプ場じゃないの?」
車がキャンピングカーなんだからどこでも同じじゃんと私は思ったが、カナは不満そうだ。
後からわかったが、彼女は鮭を食べることにこだわっていたらしい。何のことかと言うと、釧路で買った鮭がまだ一部生のまま残っていて、これを早く焼いて食べないといけないと思っていたのだ。
釧路のキャンプ場に泊まった時はこの先もほぼ毎晩キャンプ場に泊まるから鮭を焼く機会はいくらでもあるだろうというパパの判断だったが、予想外に昨夜はラフティング催行業者の駐車場に、今夜は登山用の駐車場に泊まることになり、どんどん予定とずれてしまった。
先のことを言うと、明日の晩はようやくキャンプ場に泊まることができたのだが、もう鮭はダメになっていた。こんなことなら炭火に拘らずに帯広で買ったカセットコンロで焼いてしまえば良かった。
いやいやレンタルキャンピングカーの電気系統が故障しなければ、そもそも車内の冷蔵庫だって使えたのでこんなことにはならなかったかもしれない。