4.異国情緒的温泉旅館
車を降りて細い道を行けば、正面に
総本家。なんと形容したら良いのだろう。独特の雰囲気。
がらがらと引き戸を開けて、ごめんくださーいと声を掛けても、さっぱり受付に人が出てくる様子は無い。
仕方が無いので靴を脱いで上がり、廊下を覗き込めば…これまた異様なスペースが待っていた。
宝川温泉の民芸骨董品が並んだあれも凄かったけど、ここはもっと無国籍というか多国籍というか、不動明王とバリダンスが入り混じったような感じ。どういう意図でこの飾り付けを行ったんだろうか??
もう一度、すいませーんと声を張り上げれば、ようやく厨房らしい場所から返答があった。女将さんらしい女性が出てくる。
露天風呂は階段の上に、内湯はさっきの怪しい廊下の奥にあるという。
混浴の露天風呂の方に行ってみることにした。
途中の階段にもアフリカだか東南アジアだか日本の骨董品だか判らないグッズが所狭しと並んでいる。
目を見開き歯をむき出し頭から翼を生やした異国の神(鬼?)を見て、レナは怖い怖いと言う。こういう雰囲気の温泉宿は初めてだ。
パパが先に露天風呂を見に行って、脱ぐところも何にもないけどいいの?と言う。
スリッパをサンダルに履き替えて、外へ出てみれば、なるほど…
ちょっと歩いたところにいきなり唐突に露天風呂がある。東屋風の屋根もついているし、崖っぷちなので眺めも良い。何がこんなに唐突に思われるのだろうと考えると、そうだ、脱衣所が無いからなのだと思い当たる。
手前の石の上に脱衣籠が無造作に積んである。身を隠すところも何もありゃしない(笑)。やはり脱衣棚が外にあった
老神温泉東秀館の露天風呂だってこんなに唐突じゃなかったぞ。
半出来温泉に続くインパクトに、思わず立ち尽くす。
それほど大きい露天風呂ではない。2、3人用といったところか。
パパはさっさと脱いで入ってしまう。
逆に子供たちはきっぱり「入らない」と言う。