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27.オオニワシドリの素敵なおうち




 




 ゴルフ場は背の高いユーカリがぽつぽつと植えられていて、その他に低木の茂みなどもある。
 高い木の上にはモリショウビン(青いカワセミ)やオーストラリアマルハシ。
 グリーンの上にはレンジャクバトやヨコフリオウギビタキ。
 レンジャクバトは普通の鳩に妖怪アンテナを付けたようなハト。
 ヨコフリオウギビタキは名前は初めて知ったけど、姿はよく見る。ケアンズ空港にだいたいうろうろしているし、町中でも見かけることが多い。長い尾をつけたお尻をふりふりしているから可愛いんだ。

えーん、ピンぼけ。たぶんオーストラリアマルハシ。
ついでにレンジャクバトは4日目(旅行記 マンゴーフレーバー・グリーンティー)、ヨコフリオウギビタキは11日目(旅行記 まもなく離陸)にマシな画像があるのでそちらで紹介したい。



 willieさんはどんどん奥へ歩いていって、葉の細いこんもりした背の低い木の近くまで来た。
 「今からお見せするものは、意外とバードウォッチングする人でも見たことが無い巣ですよ。その面白い巣を作る鳥はオオニワシドリと言って姿を見つけるのはちょっと難しいんですが・・・」
 そうwillieさんが口にしたとたん、正面の低い茂みから鳥が飛びだしてきて、私たちの目の前を飛び去った。
 「ああ、あれですあれです、今のがニワシドリ!」
 えっ、ええっ、みんなで慌てて振り返る。もうニワシドリはどこかへ消えてしまった後だった。
 子どもたちは「ニワシドリって呼んだら本物のニワシドリが現れた」と大喜び。
 「呼んだのが判ったのかな」
 「はーい、って返事したんじゃない?」
 ニワシドリのニワシというのは庭師のことらしい。
 「この鳥は、自分の家の玄関前を飾り付けするんです。ほら、こんな風に」
 willieさんが、今し方オオニワシドリが飛び出した茂みを持ち上げるようにした。
 えっ、持ち上げて覗いちゃって大丈夫?
 警戒してもうここに戻ってこなくなっちゃうようなことは無い?
 巣と言ったが、正確にはお立ち台のようなものであずま屋と呼ぶと後でwillieさんは教えてくれた。本当の巣は少し離れたところにあるのだそうだ。庭の飾り付けは雄が雌を誘惑するために行う。
 腰をかがめて茂みを覗き込むと、不思議な空間があった。
 ごく細い木の枝を垣根のように整然と積み上げて、その前に沢山何かを並べてある。
 一見すると子供が何かを集めて隠したようだ。
 白い石、白い貝殻、白い釘、白いプラスチックコップのかけら、透明な硝子のかけら、それらに混じってぽつぽつと緑色の硝子のかけらが落ちている。
 「この子は白と緑が好きなようですね。個体によって好みの色が違うようで、青いものばかり集める子もいれば、黄色いものばかり集める子もいます。同じ種類の鳥でアオアズマヤドリというのもいて、こちらは青いものばかり集めたがります。ケアンズのレインフォレストドームにもアオアズマヤドリが飼われていて、狭い空間の中でお客さんの落とし物などありったけの青いものを隠していましたよ。ちょっと可哀想になっちゃいましたね」
 willieさんはもうひとつオオニワシドリのあずま屋を見つけてそちらも見せてくれた。
 小枝を集めた巣の部分は綺麗に整っているが、庭の飾り付けはさっきの子よりずっと少ない。ほとんどものが落ちていない。
 「この子はあまり集めていませんね。でもほら、少し赤いものが落ちている。この子は赤が好きなようです」
 willieさんが指さしたのは、本当にどうしてこんなところにこんなものがと思うような、小指くらいにちびた赤鉛筆だった。

こんな風にこんもりした木をかきわけると


奥の方に枝を集めて作った何かと、その前に散らばる白っぽいものが見えた


枝を集めて作ったものは、とても小鳥が作ったとは思えない出来映え


そして庭の部分にはオオニワシドリの宝物、白い小物がいっぱいコレクションされている





3-28モリショウビンとサバンナランダーへ続く


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