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28.モリショウビンとサバンナランダー




 




 高い梢にまたモリショウビンがやってきた。
 さっきはあそこにと指し示されても見つけられなかったが、今度は見ることができるかもしれない。
 「あの一番近い枝の二股に別れている先の方です」
 なんとかwillieさんが位置を説明しようとしてくれる。こういうときパパはだいたいすぐに見つけられる。私は下手な方。
 willieさんが双眼鏡を渡してくれた。
 えーと、あの枝が二股で、その先の方・・・あっ、いた。
 カワセミを双眼鏡で見たのは初めてだった。
 本当に凄い冴え渡った青だ。羽の一本一本までくっきり見える。
 「カワセミは頭が大きくて尾が短くてアンバランスなところが特徴的で人気がありますね」とwillieさん。
 ちなみに世界最大のカワセミはワライカワセミ(クッカバラ)なのだそうだ。

 そこでふと後ろを振り返った私たちは、ここではカワセミよりも珍しいものを見た。
 ちょうどゴルフ場の前を赤いラインをつけたメタリックグレーの電車が通過して行くところだ。
 「サバンナランダーですかね。確か週に二本ぐらいしか走ってないですよ」とwillieさんが言った。

モリショウビン(カワセミ)・・・ピンぼけなのだ


せっかく良い位置にいるのにやっぱりピンぼけなのだ(涙)


ちらっと見えているのがサバンナランダー



 少し日差しが弱くなってきた。
 時間は午後4時。子どもたちの顔にも疲れが見え始めた。
 それを気遣ってwillieさんは、車に戻るとお菓子を出してくれた。
 手の平に乗るくらいのビニールパックに入ったグミのようなお菓子で、オーストラリアらしい強烈な色でできている。
 ピザやホットドッグのミニチュアになっていて、カナもレナも美味しいと言って食べていた。
 二人はもらったものを必ず均等にシェアする。今回もピザの形のグミがひとつ余ったので、喧嘩しないように母にくれた。
 「チーズが嫌いでも大丈夫だよ。このピザはチーズの味はしないから」
 そう、私はチーズが苦手。
 食べきれなかった一袋は、また後で食べたいと言うので鞄にしまおうとしたら、レナが「そこは駄目」と慌てて言った。
 「そこじゃなくてこっちのポケットに入れておいて」
 何を隠しているんだろうと思って、後で鞄を覗くと、ごっそり鳥の羽が出てきた。パパやwillieさんに聞くと、私がマイクロライトで飛んでいる間、子どもたちはジャイクスの庭園でホロホロ鳥の羽を拾って遊んでいたのだそうだ。






3-29オーストラリアとハワイとマカダミアナッツの歴史へ続く


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