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29.オーストラリアとハワイとマカダミアナッツの歴史




 マリーバからアサートンに戻る途中、アサートンの手前にトルガという小さな町がある。
 昔は林業も盛んだったというこの町で、willieさんは農場の一つに車を進めた。
 「あれ、おかしいなぁ。連絡しておいたんだけど・・・もしかして家の方にいるかもしれないのでちょっとそっちへ行ってみます」
 しかし車をそちらに回してもまたまた留守だったようだ。どうやら行き違いになったものとみえる。
 再び農場に戻ったwillieさんは私たちを車から降ろして説明した。
 「ここはマカダミアナッツ農場です」 




 マカダミアナッツと言えばハワイという印象が強い。
 一昔前はハワイのお土産はチョコレートコーティングしたマカダミアナッツというのが定番だった。
 でもマカダミアナッツはオーストラリア原産。
 そこまでは知っていた。私と同じようにそこまでは知っている人も多いと思う。
 willieさんの説明はさらに詳しい。
 マカダミアナッツを発見したのはキャプテンクックの一行の植物学者で、発見した人本人ではなく、友人の名前を取ってマカダミアと名付けられた。
 ハワイから防風林に良い植物はないかと相談されたときに、防風林に使って良し、食べて良しのマカダミアナッツの木をオーストラリアが送ったので、今やハワイの名産にもなっている。
 そんな具合。
 農場は空が広く、ガレージの前に何か茶色いものが堆く積み上げられていた。堆肥にも見えないし、何だろう。
 マカダミアナッツの木はなるほど防風林になるというのも判る。枝と葉がこんもりと密集して木の奥に透けて見えるスペースがまるで無い。
 ずんぐりしているので遠目には低木に見えるが、近づいてみると4メートルぐらいある。
 木の根元にはパイプが渡してある。
 willieさんはこのパイプは水をやるだけでなく、できた実の成分を調べては足りない栄養分を水に混ぜて撒水するためのものだと教えてくれた。
 「このウォンダリー農場のご主人は学者肌の人で、どんどんマカダミアナッツの品種改良をしています。ここにあるのは古い品種で、もっと農場の奥に改良した新しい品種の木が植わっています。実は古い方の木は、サイクロンでほとんどやられちゃったんですよ。あっちは更地に見えますが、以前は全部マカダミアナッツが植わっていました」
 枝にはまだ緑の実がぽつぽつと生っている。収穫には早いようだ。
 足下には少しもう茶色になった実も落ちている。willieさんが拾って子どもたちに渡してくれた。
 手動で下に落ちたナッツを収穫する機械もあった。
 手押し車のようになっていて押していくとタイヤのとげとげの間にマカダミアナッツが挟まって、それが回転して籠の中に貯まるようになっている。
 パパはゴルフ場のボール回収機と同じ仕組みだと言ったが、子どもたちはこれがえらく気に入って、レナなどしばらく押して遊んでいた。




トルガのウォンダリー・マカダミアナッツ農場の様子





3-30ウォンダリー・マカダミアナッツ農場へ続く


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