子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ 温度はぬるめ適温
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★☆☆☆ ベビーベッド代わりに脱衣棚の隣の棚が使えそう
子連れ家族のための温泉ポイント
ここは入浴料の払い方があまりにもぶっとんでいてビックリした温泉。まるで冗談みたいだが、意外と合理的なのかもしれない。
大谷会館の宿坊に泊まっていた私は渋の湯を上がった後、いでゆ坂を下って川沿いに一筆書きを描くように坂を上がろうと思った。夜道は暗くあたりの様子はよく判らない。暗くなると紙の地図を見づらいので困る。でもスマホのgoogleマップはいつも方角がよくわからなくなる。
途中、前方が見えなくなるようなものすごい湯けむりに驚いたが、後で調べるとそこはひょうたん温泉の裏手あたりらしい。もう少し歩くと谷の湯だ。ここは21時半とけっこう遅くまで開いている。
坂の下の谷の湯は、佇まいは鄙びた共同浴場風。しかしどうも料金箱は温泉棟には付いておらず、隣の民家で支払うシステムのよう。「料金は上の家のつつの中に入れてください」とある。そしてお隣の家を見てびっくり!なんじゃこりゃ。
窓が薄く開いていて、その隙間に斜めにパイプが差し込んである。「つつ」ってこのパイプ?この中にコインを入れるのか!? 家の中は灯りが付いていて影が動いている。料金徴収のお部屋にどなたかいらっしゃるもよう。
あいにくと50円玉がなかったので、100円玉を2枚入れた。つつに入れたコインはスーッとつつの中を滑っていき、室内の恐らく料金箱に入った。な、なるほど。
再び坂を下りて共同浴場内へ。なんだか栃木の塩原あたりのジモ専にありそうな雰囲気の浴室だ。コンクリート打ちっ放しの床やナミナミのトタン板、脱衣所と浴室は一体で、お湯で裾がぬれないよう脱衣棚の前は一段高くしてスノコも敷いてある。
お湯は緑がかってわずかに濁りがある。少しぬるめ、ほのかな金属臭はするが鉄っぽくない感じ。肌触りはきしつきとぺとつきがあり、蛇口はがっちり析出物が珊瑚みたいに成長している。湯船の縁に背中をあてると、赤茶けた浴槽の内側が析出物のせいで、とげとげやごつごつじゃなくてふわっとしている。この"ふわっ"が面白い。
さてこの後湯上がりにハタと気づいた。別府八湯のスタンプはどこだろう。浴室を探し回ったが見当たらなかった。もしやと思って料金をパイプに入れた民家に戻ってみたら、「温泉88ヵ所めぐりの印はここにあります」との張り紙を見つけた。
こ、ここって?張り紙にある矢印はトイレの方向だよね?すると…
入浴前に部屋の中にいらした人の影は既になく、部屋の電気も消えている。パイプを差し込んである隙間に手を入れて探ってみるとスタンプらしきものを発見!なんとかたぐり寄せて、隙間から縦にして外に出して押印。これでようやくミッション完了。
なお、谷の湯は別府で最古の歴史を持つ温泉だそうで、男湯にはお不動様が祀られているそう(残念ながら女湯にはいません)。
2ヶ月後、夫が谷の湯に言って撮影してきてくれたので、男湯の様子もも3枚ほど貼っておきます。