子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★☆☆☆☆ 泉質★★★★☆ 野沢のお湯は全体的に熱い
- 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★★☆☆
子連れ家族のための温泉ポイント
入り口は三角屋根に漆喰の壁。
雨のような雪がしとしとと降る中で、外湯の灯がぼんやりと辺りを照らしている。
掲げられた木の看板には新田乃湯と掘られていた。
外は暗かったが、中は明るかった。
他の外湯と比較して広い脱衣所を有していると思ったが、夜8時過ぎのこの時刻、地元の人で大変混雑していた。
みんな普通に家のお風呂に入るように外湯に来ているのだ。
ここは各々のお風呂でありながら社交場となっていた。
子供連れも多い。
浴室はタイル張り。
とにかく大勢の入浴客がいるので狭く感じる。
あちらこちらから世間話が聞こえてくる。
浴槽のお湯が熱めで子供がちょっと難儀していたら、何人ものおばさんが「こっちの方がぬるいよ」と甲斐甲斐しく世話を焼く。
水を入れてあげる人もいる。
お湯はわずかに白濁して、臭いなどは薄かったが、それでもお湯に入れた手のひらからはほんのりとマッチの臭いがしてクスっと笑いたくなる。
あまり長湯をしても迷惑なので早めに切り上げた。
本当に新田の湯は地元の方で大賑わい。
なんとなく下町の銭湯のようでもあった。
「お先に失礼します」とドアの外へ出ると、とたんに喧騒は消えて暗い夜道。
見上げるとまだ飽きることなく雪が降っている。
5年後に訪ねた時は誰もいなかった。
ここは外から見ると二階建てで、もちろん外階段が付いていて一部は二階として使用されているのだろうが、浴室部分は二階建ての高さに天井がスポーンと高くなっていて見上げると開放感がある。
前に来た時は夜だったし混雑していたので気付かなかった。
手前の角を丸めた長方形の浴槽があるだけのシンプルな浴室だが、洗い場の床は新しいものなのか、かなり綺麗だ。
お湯はそんなに熱くなかった。
ここも秋葉の湯と同様、水道水だけじゃなくて冷泉が引かれているみたいだ。冷泉と書かれた札を下げた蛇口が湯口の隣にある。
少しひねってみる。
わずかに濁りがあるかな。ほぼ無色透明。すっきりしたお湯。
ライオンかなにかの顔なのかな、湯口は。
析出物が大きなひげのように成長しちゃってもとの姿がよくわからない。
誰も入ってこなかったので独り占めを楽しんだ。浴槽の縁に両腕を乗せてその上に顎を乗せてのびのびしたり、仰向けになって天井を見上げたりした。
今回の外湯巡りで一番ゆっくり入ったのがここ。
新田の湯は2018年12月に建て替えられて新しくなったので、ここからは2021年に撮影した現在の新田の湯を画像で紹介する。
※ 他の野沢温泉外湯を調べる→野沢温泉共同浴場マップ