子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆ 温度は適温、泉質は特に問題なし
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★☆☆ 共同浴場に露天風呂が付いているのは珍しい、脱衣所にベビーベッドあり
子連れ家族のための温泉ポイント
別所温泉 大師湯の建物を正面からじーっと見つめていたら、何だか可愛い子ペンギンに見返されてる気がしてきた。ちょうど破風の下に顔があるように見えない?
なんかそんな風に考えたら妙に親近感の湧く大師湯。ここは名前の通り、大師様ゆかりの外湯。ただし、弘法大師が旅の途中に立ち寄って、なんやかんやで湯が湧き出したとか発見されたとか、よくあるそういう謂れがあるわけではない。
こちらの大師様は大師様でも、空海こと弘法大師ではなく円仁慈覚大師。比叡山延暦寺の座主で、この大師湯からもほど近い北向観音を創設した高僧だ。
この円仁慈覚大師が好んだという有難い伝説の他に、北向観音同様やはり近隣の安楽寺では、木像が入浴に通うというので、恐れた村人が木像の目玉を抜き取ったという怖いいい伝えもあるようだ。
別所温泉に3軒ある外湯のうち、石湯から近く、道からは川を隔てた所に建っているのが大師湯だ。源泉は別所温泉3号泉。
浴室も浴槽もレトロなタイル張り。浴槽の形は半円形というか、蹄鉄型で丸みのあるフォルム。古い注意書きの板が壁の高い位置に貼られている。
お湯はとろみがあり、肌との間に少しジェルを引いたような独特の感触で、焦げ臭は甘さの無いカラメルのような、焦げすぎた醤油のような香ばしいにおい。それに湯口に鼻を近づけると、ゆで卵臭も少し。
味はゆで卵味に苦味とまったりしたようなテクスチャー。浴槽のタイルの下の方が水色で、上は黄色だが、その黄色にお湯が入ると緑色っぽく見えるようだ。
湯上りはパウダーをはたいたようにサラサラ。こういうところは飯坂温泉あたりに似ている。
帰りがけに番台のおばちゃんに「よく来る人よね?」と誰かと間違われた。ドッペルゲンガーかしらん。
番台の人いわく、別所温泉は源泉100パーセント。外湯は湯船だけじゃなく、カランや洗面所のお湯も全部源泉だから、とても良いところなんだよって教えてもらった。地元の人が自慢できる温泉は最高だ。