あっという間に山口県に戻って、次の目的地は錦帯橋。
錦帯橋のある岩国市は広島県のすぐお隣。
岩国市は作家 宇野千代の出身地。
何だか山口県は作家・詩人由来の土地がすごく多いような気がする。
今回私たちが回ったところだけでも、仙崎の金子みすゞ、湯田温泉の中原中也、湯野温泉の夏目漱石(坊ちゃんのモデルの出身地)、津和野(島根県だが)の森鴎外、そして岩国の宇野千代。
他のジャンルじゃなくてとにかく文学者が多いイメージ。
錦帯橋の駐車場は川原にある。
橋の東側の河川敷一帯が広い駐車場になっていて、そこに車を置いて歩いて橋を渡るようになっている。
通行料は大人300円。
錦帯橋は錦川に掛かる5連のアーチ橋だ。驚くべきは江戸時代(延宝元年)に作られ、その後台風や老朽化により架け換えや補修は何度も行われたが、基本的な構造は変わっていないことだ。
杭州の西湖にある6連アーチ橋の図にヒントを得て作られたこの橋は、橋自体の重さが橋をより強固にする仕組みとなっており、特に江戸時代に作られた時から現在までの補修記録や作業した大工棟梁の名前も全て記録に残っているというあたりが日本ならではという気がする。
しかしもちろん太鼓橋などアーチ状の橋は、現代においてはあまり実用的ではない。
急なカーブは乗り物で通行できないのみならず、走ることすら危なくてできない。
だから今は本当に観光用の橋となっている。
そしてやたらと目立つのは「錦帯橋を世界遺産に」の幟だったりして。
もう世界遺産はいいよ。
あそこが登録されるくらいならうちもっていう気持ちはわかるけど。
橋の上から見下ろす錦川は透明度が高くて本当に綺麗。
釣りをしている人もいる。
対岸の丘の上には天守閣が見える。
岩国領主吉川広家が築いた岩国城だ。
この岩国城と、その城下町を結ぶために錦帯橋は架けられた。
錦帯橋を渡り終えると槍倒し松や巌流ゆかりの柳などがある。
槍倒しの松は低く枝を張り出した松で、弱小藩の岩国がなめられないように知恵を絞って他藩の武士に嫌がらせをしたともいえるもので、苦労もわかるけどちょっと子供っぽい気もする。