子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★★☆ お湯は適温、もしくはぬるめ浴槽あり
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★☆☆ 脱衣所にベビーベッド代わりのソファーあり、家族風呂あり
子連れ家族のための温泉ポイント
道の駅ソレーネ周南から3分も走れば湯野温泉だった。
ここは本当に徳山西インターから近く、交通の便が良い。
道の駅を離れるとあっという間に田園風景となり、橋を渡ると左手に芳山園と看板のある古そうなコンクリの建物が見えた。
およそ1700年以上の歴史を持つとされる湯野温泉は、徳山の奥座敷とも呼ばれ、初夏には蛍飛び交う夜市川のほとりに数軒の旅館・民宿を備えている。
芳山園の建物が古いことは予想していた。
どうも綺麗に作ってあるのは離れとその周辺だけらしく、玄関、ロビー、本館、大浴場などは恐らく昭和のイメージのまま古びているだろうと思っていた。
確かに駐車場に車を入れると、鉄筋コンクリート製の昔からある中規模の旅館らしく、今の感覚で言う洒落た様子は無い。
ただ、玄関から伸びる唐破風の屋根つき木造回廊は真新しく、これがひとつあるだけで随分とさまになって見えると感じた。
少し古びた本館館内を抜けて躑躅咲く庭園の中の石畳の小路を行くと、枝分かれした回廊があり、それぞれが独立した離れに繋がっているもよう。
私たちの部屋は突き当りを左に曲がり、さらにじくざぐと曲がった先で「松」という離れだった。
室内は一般の旅館の客室と同じような感じだが、なんといっても部屋に温泉のお風呂が付いている。これがものすごーく嬉しい。とびあがるほど嬉しい。
露天風呂ではないが、桧風呂。洗い場も広く、なんといっても三方が窓に囲まれている。
もちろん窓の外は庭園だ。
浴槽についている蛇口は二つ。
お湯と水かと思うでしょ? 違うの。温泉とお湯。
つまりね、湯野温泉は源泉がぬるめなんだよ。33度弱と体温より低い。
そのまま使うのではなく各部屋に供給する段階である程度加熱はしているんだけど、熱くはせずできるだけ源泉を活かしている。熱めが良ければお湯を足してねってことらしい。
お風呂にお湯が溜まるまで、私はあたりを散策に行く。
庭はそんなに広くは無いが、とても手入れが行き届いていて、しかもいろいろなところに小路が隠されているような感じで遊び心がある。離れや本館に囲まれているので建物の上に見える遠景は山々で、それも借景になっている。
円形で真ん中に小さな穴を開けた庭石の、その真ん中にタチツボスミレが植えてあるのもこだわりだよね。
お湯を貯めている間から浴室内にゆでたまごのにおいがただよっていた。
無色透明で肌触りはするするとする。ずっと入っていると指の間も少しにゅるっとくる。
味は塩の入らないゆでたまごに後味わずかに苦味。
湯上りはほどよくあたたまり、肌はすべすべになっている。
あー、温泉のお風呂付き離れの部屋はいいなぁ。なんという贅沢。
贅沢すぎ。
本館の大浴場は釜風呂がある方と水車のある方と二つあって男女入れ替え制。
夜は釜風呂の方に入り、朝は水車の方に入った。
なお、大浴場のお風呂は基本的に循環仕様で、一部が掛け流し(浴槽に個別表示あり)。
釜風呂のある浴室の大きい浴槽は、普通に循環らしく特ににおい無し。
隣に少し小さめの圧注浴の浴槽があるが、何故かこれが激熱。圧注浴専用の浴槽をぐらぐら熱してどうする。
もうひとつ小さ目の浴槽は非加熱掛け流し。ただし、どういうわけか湯口が止まっており、貯め湯状態。
そのためか、のぞいたお湯はどことなく濁って溶き卵のような湯の花が沢山うようよ。
見た感じ、なまっていて鮮度がよくなさそうだったが、一応入る。温度はひんやりしながらも、冷たいのが苦手な自分でもぎりぎり入れるくらい。
露天風呂は川に面していて釜風呂と横長の岩風呂の二つがある。
釜風呂は加熱掛け流し。ここは悪くないがここも湯口は止まっていた。
岩風呂の方は入ってみたら浅く、腰掛け状態になっていたので、足湯として使用するらしい。
岩の変色ラインから元々は肩までつかる露天風呂として使っていたと思うんだけど、とにかく今はちょっと深めの足湯になってる。
見上げると、中空にぽっかりと浮かんだ月が綺麗で、川の見える足湯のロケーションは悪くない。
翌朝はもう一つの水車のある大浴場へ。
こちらは非加熱掛け流しは浴室内じゃなくて露天風呂側にある。加熱掛け流し浴槽は無い。
朝一番に行って循環風呂も含めてまあまあ鮮度は悪くないと感じた。それでも大きい浴槽はにおいはほとんどない。
加熱浴槽の温度は適温。
非加熱掛け流しは湯口からお湯も出ていてお湯は澄んでいて湯の花は少しだったがちょっと冷たかったので全身は入れなかった。
圧注浴のお風呂もこちらはぬるめで、露天の足湯は何故かほうじ茶みたいなにおいが少しあった。
アルカリ泉に多い壊れにくい泡も少々浮いている。
で、結局大浴場ではいまいち満足できなくて、部屋に戻ってその足で部屋のお風呂に入っちゃうわけ。
朝風呂の入り直しってやつ。
あーやっぱり離れのお風呂はいい。
サイコー。上がりたくなくなる。
宿泊したので夕食や蛍狩りなど、湯野温泉芳山園のもっと詳しい話は山口旅行記の方に載せています。良かったらお立ち寄りください。