岩国からは一般道。
海岸線まで走ると、瀬戸内沿岸は工場が立ち並ぶ。
内陸や日本海側と比べると、明らかに栄えている。建物が密集して、交通量も多い。
小さい港のひとつで「活もえび」とう看板を見て、二人でなんだあれと言う。
「もえび?」
「海老だろう?」
「ああ、活・も海老かぁ」
私は「もえ・び」っていう自分の知らない生物がいるのかと思ったよ。
やがて周防大島に渡るための大島大橋が見えてきた。
山口の周辺の海は瀬戸内海でも日本海でも穏やかな丸い島影がいくつも浮かんでいる。
周防大島は今回の山口旅行で渡った三番目の島。
一番目が角島で、二番目が青海島、三番目が周防大島。全部本州と橋で繋がっている。
周防大島は宿泊候補地の一つでもあった。
ここには竜崎温泉潮騒の湯という評判の良い日帰り温泉があって、系列の千鳥旅館という宿があるのでそこに泊ることも検討したんだけれど、千鳥旅館宿泊者は竜崎温泉に入れるもののちょっと距離が離れている。軽く歩いていくには遠いから不便ということになった。
また、瀬戸内海の島リゾートに泊まってみたいパパの希望もあってリゾートホテルのH&Rサンシャインサザンセトも検討したんだけれど、角島近くの西長門リゾート同様、もし天気が悪かったら魅力が活かせないかもと断念した。
だから泊まることは無かったが、せめて日帰りで寄ってみようと思ったところ・・・
「あーっ、しまった。竜崎温泉の定休日、月曜日じゃん!?」
「えっ」
ごめん、失敗した。今日は竜崎温泉は休みだ。
もともと行くとしたら昨日だと思っていたので、カルストの湯のパターンとは逆。天候で計画を変更したことで綻びが出た。
しょうがないなー。竜崎温泉以外にも周防大島に温泉はあるが、なんとなく料金と期待が折り合わない。
「島をドライブすればいいよ」
そうだね。
時刻はそろそろ午後1時になろうとしている。
どこかでお昼ご飯を食べなきゃ。もう山口県での食事もこれと夕ご飯の二回しか残されていない。しかも夕ご飯はどうせ空港に着いてからだから期待できない。美味しい魚介類を食べようと思ったらこれが最後かもしれない。