次に向かったのは新津温泉。
昨日の珍湯、西方の湯と同様、昔から新潟に来るならぜひとも入ってみたいと思っていたお湯。あちらがとにかく臭くて有名なら、こちらは石油のにおいで有名。
地図を見ると町中にあるっぽかったので、わりと普通の日帰り温泉なのかと思っていた。いやはや、行ってみたらなんのなんのやっぱりここも魔窟だった。
さてカーナビに電話番号を入力して進んでいくと、大型スーパーマーケットベルシティの横を曲がって、裏の駐車場を過ぎて、そしてうっそー、車通れんの?という細い道に突撃しようとする。道の真ん中にはおしゃべりに興じている地元の方々、こちらを見ている。
こりゃ車は入れないよと夫が言って、車を降りて、道にいる地元の方たちに新津温泉の場所を聞くと・・・
すぐそこだけど、この道じゃないと教えてくれて、車はベルシティの駐車場に停めては駄目だから新津温泉に移動させなさいと言う。
自分たちがいる道路から見ると、段差の下に新津温泉があるらしい。駐車場というか、新津温泉の周りの空き地に車を停められるらしいので、夫は車をそちらに回すことにして、私は先に歩いて行っていいよと言われる。
歩くって?
「そこを降りていいって」
「?・・・えーっここ?」
住民の方々のご厚意で、道なき道というか、私道というか、近道の階段を通らせてもらって、私だけ先に新津温泉に向かった。
新津温泉はえっ、ここ?と思う建物だった。一般民家にしか見えない。
入口の横にあんまり目立たない看板がさがっている。「天然温泉 新津温泉」。
引き戸には手書きで営業時間とか料金表とか記載した紙が貼られている。
受付も普通の居間みたいな感じ。床や壁が傷んで適当に修理した感じの館内。旅館とかと違って、建材に安っぽさを感じる。もちろん悪くないよ。面白いと思っているだけ。ただ、一般の観光客に紹介するような施設じゃないとは感じる。
夫が私のあとに受付に来た時に聞いた話では、「70年前に石油を掘ろうとしたら、石油は出なかったが代わりに石油臭い温泉が出た」「実は間欠泉なんだよ」「アトピーによく効くので東京からアトピー治療に通っている人もいる」とか。