もう由良温泉の共同浴場に寄る時間は無い。
由良温泉の共同浴場は季節によって入浴可能時間が違うのだが、最初からこのシーズンは午後3時から8時っていう営業時間が厳しすぎて寄るのは難しいと思っていた。まあ今回の場合はあちこち寄り道しすぎて逆に時間は午後3時ぐらいになりそうだけど、もう寄っていく時間そのものが無い。
すると湯田川温泉にだけ寄って、あとは泊るあつみ温泉に向かうことになる。
湯田川温泉の正面湯はtakayamaさんもやませみさんも推薦していたからこれは何は無くとも行かなくてはと思っていた。
湯田川温泉に着くころにはまた少し雨が降り始めていた。
十六羅漢岩や鳥海ブルーラインではあんなに青空だったのに。
到着前にざっと降って、車から降りるときには一時的に上がった。今のうちに入ってきちゃおう。
湯田川温泉は海沿いではない。海から数キロ内陸に入ったあたりで、どことなく鄙びた雰囲気はあるが山の中ではない。
この季節の湯田川温泉は孟宗竹が有名。残念ながら今回は食べる機会がなかったけど。
湯田川温泉の共同浴場はカードタイプの鍵式のため、日帰り利用の場合は温泉街に建つ船見商店という小さな食料品店で入浴料を支払って鍵を開けてもらうことになる。
「入浴券あります。正面湯 田の湯 おひとり様200円」の看板が出ている。
ちょうど私たちの他にも男性の入浴希望者がいて一緒に受付をしてくれる。船見商店のおばちゃんは、鍵を持った従業員?家族?が見当たらないと言って、店の外に出てきょろきょろして、それから「○○ちゃーん、○○ちゃーん」と大声で呼び始めた。
呼ばれた当人はすぐに戻ったようで、おばちゃんは私たちにこっちよと手招きして歩き出した。
ここは鍵を貸し出すのではなく、共同浴場まで案内して、その場で鍵を掛けてもらう仕組みなのだ。
なお、上がる時は中から自由にドアは開けられる。正面湯と田の湯の両方に入ろうと思ったら、一ヶ所入った後にもう一度船見商店に戻り200円を払って、もう一度案内してもらって鍵を開けてもらわなくてはならない。