平野部まで降りてくると少し雲が増えていた。
takayamaさんはこの後、休業中だか閉業したんだか今は営業していない天地の湯という温泉の近くでお酒を買っていこうと言っていたが、何故かそれらしい曲がり角も通り過ぎ、買い出しはスーパーマーケットですることになり、そのまま次の温泉へと向かっていった。
敷島温泉赤城の湯ふれあいの家はさっきも書いたようにユートピア赤城の隣に建つ。
隣というか、ほぼ敷地内。
見たところ、ふれあいの家を知らない人ならユートピア赤城の一施設だと思いかねない佇まい。
道の向かいには農産物直売所があって、これでお風呂とプールとお買いものの三点セットがそろいそう。
さて入り口を入るとまず目につくのが「スタンプ2倍」の文字。
もちろん私たちはふれあいの家のスタンプカードなんて持ってないけど、地元のtakayamaさんなら・・?
「今日は忘れたからいいです」
いやいや、どうせ9人で入るんだから、新しいスタンプカード作ってもらってtakayamaさんが活用したら? ということになった。
えっ、9人!?と受付の人も目を白黒。
さすがにスタンプ2倍デー。
休憩室も、脱衣所も、浴室も、露天風呂も大混雑。
しかも年齢層が高い、半端なく。
外観は小規模ながら比較的小奇麗だったが、とにかく脱衣所や大広間休憩室の雰囲気は昔ながらの共同浴場。古いわけじゃないが、どこか雑然としている。
内湯もいっぱいだったので先に露天風呂に出てみた。
露天風呂は内湯よりは浴槽が広いので、窮屈感は無いが、それでも奥の方は常連さんが輪になっておしゃべりに夢中なこともあり近寄れない。
お湯はほぼ無色透明。少しとろみがあるようで一方相反するきしつく感触もある。
それより何より強烈なのは塩素の消毒臭。水道水なんてもんじゃない。あまりにもこの臭いが強くちょっと閉口してしまった。
まあこれだけ入浴客が多いのでは致し方ないのか。
内湯はもう少しマシかと内湯にも入ってみるがあまり変わらず。
と、そこで・・・
「今の見た?」
「見た見た」
「なんだろうね、あれ」
今しがた露天風呂から上がってきた人が手にした荷物。それはお風呂場で持ち歩くにしてはあまりにも不似合いな大きさ。旅行鞄かと思った中にはやはり大きなペットボトル。2Lのソフトドリンク用じゃなくて、焼酎が入っているような取っ手の付いたやつ? それが3本くらい。
私たちは顔を見合わせた。