でもその人だけじゃなかった。よくよく見ていると、他にもラベルは剥がしたペットボトルを持ち歩いている人多数。
源泉を汲んでいるんだろうか?
でも、内湯も露天風呂も湯口と思しいところには飲用じゃないと記載してある。
もう一度露天風呂に出てみた。
露天風呂の奥の方は相変わらず常連さん方が占拠しているので入り口に近い方しか入れない雰囲気だが、入り口の方にも蛇口が一つある。洗い場の蛇口じゃなくて、お風呂の中にある。
一人やってきてその蛇口から500mlのペットボトルに水を汲み始めた。
あの蛇口も源泉なのかな?
人がいなくなったところでえんぴつさんと蛇口の水を飲んでみたが、普通に美味しい水だった。そう、お湯じゃなくて水。冷たかった。
敷島温泉の源泉は40度以上あるはずだから、そうすると露天風呂入り口近くの蛇口はそれじゃないことになる。
奥の湯口からは汲める源泉が出ているのだろうか。これとは違うんだろうか。
何だかさっぱりわからないぞ。
あやさんが先に上がってしまった。
このメンバーの中ではいつもあやさんが一番に上がる。
続いてえんぴつさんも。
で、だいたい私がビリ。
ここのお湯はとにかく塩素消毒臭がきついのが辛いが、よく見るとお湯の表面にはきらきらと細かい結晶状の湯の花が見えた。
湯の花をすくおうとしたら空からも同じような白い結晶が落ちてきた。
いつの間にか天気雨ならぬ天気雪。降っているというほどではなく、たまにはらりと落ちてくるくらい。
落ちてきた雪はお湯の表面でさっと溶けてしまうが、まるで湯の花になって浮いているみたいだった。