8.天狗の湯仮浴場
八ツ場四兄弟は外観がそっくり似通っているという印象があったが、この
天狗の湯は違ったようだ。
林温泉よりかなり大きい。大きいと言ったって地元民専用に近い温泉なのだから極端に大きいわけではないが。
幸い他に誰も先客がいないようだった。
男湯も女湯も空だ。
とてつもなく建て付けの悪い引き戸を引くと、7、8人ほど入れそうな長方形の湯船が待っていた。
2~3人用ポリバスだった林温泉と比べると、大きさもさることながら、御影石調の湯船も本格的だ。
お湯は熱くない。子供でも抵抗なく入れるくらい。ちょうどいい湯加減だ。
ほんのりと柔らかい硫黄臭と金属臭がして、ゆで卵風の味がする。
ほとんど透明だが僅かに白濁。
yuko_nekoさんが、昨日入ったけど天狗の湯ならもう一度続けて入ってもいいやと言っていた気持ちがよく分かる。
八ツ場四兄弟の中にはダムが完成したらそのまま沈んで消えてしまう温泉もあるようだが、この天狗の湯は今の仮浴場からちゃんとした施設に建て替える計画があるようだ。
もしかしたらそのうちに、もう少し気軽に入れるような日帰り温泉に生まれ変わるのかもしれない。
それが良いか悪いかは別として。
上がった後は、休憩室で一休みした。
天狗の湯にはちゃんとした休憩室が用意されている。
「利用時間は2時間以内」、「ゴミは各自で持ち帰りましょう」となっているが、お茶と湯飲みも置いてある。
私たちが天狗の湯に着いた2時過ぎというのは、ちょうど客足の切れた良いタイミングだったようだ。
3時になると、次々と地元のお客さんが現れた。
さあそろそろお暇しなくては。
ありがとうございましたと受付に礼を言い、天狗の湯を出た。
ここでyuko_nekoさん一家ともお別れ。
といっても、yuko_nekoさんたちとはまた2週間もすれば
修善寺で会えるのだ。
すぐだよ。