林温泉かたくりの湯

子連れ家族のための温泉ポイント

林温泉かたくりの湯体験レポート

群馬県で一番石油臭い温泉かもしれない。この辺はすきずき。建て替えられてすっかり大人しくなっちゃうんじゃないかって心配もあったけど、そんなことはなかった。以前ほどのワイルドさはないかもだけど。

林温泉かたくりの湯は林住民センター隣に

同じ八ッ場四兄弟と呼ばれた吾妻峡温泉天狗の湯の体たらくを見よ。元の源泉の片鱗もにおわせない別物に変身しちゃってさ。完全に一般向けの小綺麗な日帰り温泉になっちゃったんだからしょうがないけど。それと比べれば変わってないねと言いたい。林温泉かたくりの湯は今でも基本的に地元の人のための温泉だから。

林温泉かたくりの湯の外観と料金箱

そして地元向けであるけれど、一般観光客も受け入れてくれる。利用時間に制限があり、入浴料も村内外で異なるが、でも村外利用でも300円だからむしろ安い。300円で堂々と入れるんだからありがたい。

お湯の色は少し黄色っぽい透明カラー。温度は熱めで、肌触りは少しキシつく。最大の特徴はやはり石油くささで、飲んでみるとしょっぱさも感じるけど石油のにおいが強くて美味しいとは思えない。

お湯の半量ほどは洗面器に捨てられている

湯口のお湯は石の板で調節して半分ほどしか湯舟に入れず（それでも熱いから）、残りはもったいなくもじゃんじゃん捨てている。しかし板を動かしても隙間があるからお湯の量はあまり変わらず。

溢れたお湯を洗面器で受けている所なんて昔の林温泉かたくりの湯から続く伝統か？あの頃もこうだったよね。

真ん中の石の板で湯量を調節、でもうまくいかず隙間から結局入っちゃう

後から入ってきた地元の人が、今日は風が強いからお湯が冷めたかもと言っていた。いつもはもっと熱いのか!?

もともと林温泉は八ッ場ダム関連で作られた共同浴場。旧川原湯温泉街を水底に沈めた八ッ場ダムは2019年に完成し、運用前から同年の台風19号では貯水に大きな力を発揮して翌年のこの4月からはいよいよ正式に運用開始になったばかり。

完成した八ッ場ダム

ダムが完成したら林温泉もなくしちゃうのかなと思ったけど、こうして残ってくれて嬉しい限り。なおこの林温泉のお湯は「道の駅八ッ場ふるさと館」の足湯にもしっかり利用されているのだ。

道の駅八ッ場ふるさと館の足湯と足湯から見える不動大橋