13.九湯巡りチャンス到来
午後3時半。
宿に戻ると、ころころと丸いハムスターが沢山完成していた。
しかも部屋の枯山水の岩にへばりつくようにディスプレイしてあって苦笑を誘った。
子供たちの考えることって本当に面白い。
さて、泊まっている
安代館では、横湯川と角間川を渡ったさらに高台にある
角間温泉に別館を持っている。
その名を嶽心荘といい、日本画家 横山大観の別荘だったことで知られる。戦時中には住友財閥家長の疎開先としても使われていたそうだ。
ここでの山菜料理による夕食がオプションでできると思っていたのだが、それは私の思い違いで、残念ながら11月からは寒さが厳しいため嶽心荘での夕食プランはやっていなかった。
私は実は山菜料理よりも、嶽心荘そのものに関心があった。古く由緒ある茅葺きの建物をぜひ見てみたかったのだ。
そのことを伝えたら、若女将さんは、明日の朝ご案内しましょうと言って下さった。
明日が楽しみだ。
嶽心荘で夕食を取るなら4時には戻っていた方が良かろうと思っていたのだが、嶽心荘行きが無くなってしまったので、通常の夕食時間6時まであと2時間ある。
パパは子供たちもいい子にしているし、まだ温泉に行ってきていいよと言ってくれた。
これは・・・念願の渋温泉九湯巡りの最初で最後のチャンスかもしれない。