静泉荘の夕食は、宿泊料から言ったら大盤振る舞いの豪勢さだった。
特にお刺身が凄い。野沢温泉は山の中だけど、意外と日本海が近いからかも。
お酒の持ち込みも構わないとのことで、さっき買ってきた苗場山の他、神亀の純米活性にごり酒手造りがどぶろく状に発酵していて開けるのが楽しかった。
苦労して作ってもらった温泉卵も完璧な出来栄えで感動。
食べ終わってからも部屋に戻ってみんなで飲みまくり。
これは終わってからだとお風呂に入るのも大変そうと、こっそり途中で抜けて、宿のお風呂に出かけた。
さっきも書いたが静泉荘では奈良屋の湯を引いている。
静泉荘は以前は長野電鉄の保養所だったそうで、今も契約旅館ではある。
野沢温泉の老舗旅館奈良屋旅館は麻釜から中心地へ下ってくる坂の途中に建っている。先ほど義満さんが寄ってきたふるさとの湯のすぐ近くだ。
坂の数軒上には漫画のらくろの作者、田河水泡が定宿にしていたことでも知られるやはり老舗の村のホテル住吉屋が建っているが、奈良屋の源泉はこの住吉屋の地下で湧いているという。
住吉屋の敷地内で湧出しているが、住吉屋ではこの源泉を使っていない(住吉屋のお風呂のお湯は別の源泉)。
住吉屋の地下で湧き、奈良屋の湯と名付けられたその源泉は、奈良屋、中むら屋旅館、静泉荘など限られた旅館(旅館の他にこの源泉を使っている医院がある)に引き湯され使われていると静泉荘の女将さん談。
住吉屋は野沢温泉の源泉の多くを占める麻釜のすぐ下だし、あのあたりならいくらでもお湯が湧いていそうだ。
しかしそんなわけで、奈良屋の湯に入れる宿はなかなか希少だ。