3.自遊人無料パスポートの誘惑
チェックアウト後は鳴子温泉まで降りて、中山平方面へ向かった。
今日は連休最終日なので高速の混雑が予想される。みんな疲れてもいるし、早めに帰宅の途につくことに決めていた。
最後にどこかひとつだけ温泉に入ってから・・・と。
昨日までと違って今日はくららさんちはトレーラーを引いているから、どこにでも停められるっていうわけにはいかない。
昨日から考えていたのは
中山平温泉のしんとろの湯。
ここはまだ去年できたばかりの新しい施設。しかも中山平温泉では唯一の日帰り専門であり、鳴子温泉郷の共同浴場系の中でも駐車場が広くて大型車も入りやすい。
本当は今朝になってくららさんが「よしかさん、もしかして自遊人付録の無料パスポート持ってる? 今見たら中山平にも一見無料で入れるところがあるから、しんとろの湯から私たちだけでもさっと入りに行ってこない?」と誘惑の魔の手を伸ばしてきた。
中山平で無料入浴させてくれるのは琢秀だった。ここはちょっと高級なお洒落宿として知られている。普通、鳴子温泉郷のぬるぬるうなぎ湯と言えば、ゆさやか琢秀を指すくらいだ(実際のチャンピオンは一昨日訪れた
丸進別館だという意見も強し)。
他にも鳴子では川渡温泉のみやま等も無料パスが使えるようだった。
「無理だよきっと・・・今日は本当に時間がないもの」
昨日気づいていたら、昨日行けたかもしれない。でも今の私が自遊人パスを積極的に使わないのは、今回のはやたらと「週末や繁忙期を避けて使って」だとか「混雑時は不可になる」だとかいう表現が多かったからだ。
だからいつも夫婦の分二冊買うのに、一冊しか買わなかった。
週末など旅館が忙しいときは無料で入るのを避けてほしいというのはよく判る。でも子どもたちが小学校に上がった今、もう土日しか温泉には行かれないのだ。そんなことを考えると、結局使う気になれないのだった。
しんとろの湯は三角屋根の建物で、蕎麦屋を連想させるようなモノトーンの外観だった。
それほど大きくはないが交流室と呼ばれる休憩室などもちゃんと併設されている。
鳴子温泉郷の日帰り温泉というと、
滝の湯や早稲田桟敷湯のように車をどこに駐車するか悩むところが多い中、ここは手軽に立ち寄りできる感じだ。