6.お湯もお風呂も極上なり
小さな庭のようなスペースがあり、木造の湯小屋があった。
浴室との間を遮る戸の下の方に一律に隙間が空いており、そこから絶え間なく湯が流れてくる。
だから三和戸を上がったところに簀の子が敷いてあるのだ。廊下の床一面に湯が流れているから。
カナとレナを連れて脱衣所に入ると使用中の脱衣籠がひとつ。先客がいる。
早速子供たちをぬがせて中に入ると、度肝を抜かれた。
これはすごい。
確かに広い浴室ではないけれど、木組みの天井、黒々とした石の浴槽、三本の打たせ湯が滝のように落ちていて、溢れる湯は段差のない浴槽の縁からさざ波を作り後から後から贅沢に流れていく。
この浴室には、風格とセンスがあるのだ。
ここに匹敵するのは
法師温泉長寿館の法師の湯ぐらいか。