8.自炊湯治棟のプリンセス
姥湯からの帰り道も、例のクマ狩りの人たちを見かけた。
この辺もやばいのかな。
滑川に戻って、カナとレナはゴム入りタオルをドレスに見立ててお姫様ごっこ。ベルとオーロラ姫と呼んでね、と言われる。
はいはい、自炊湯治棟のプリンセスで良ければそうお呼びしましょう。
今日は雨だったので、外のバーベキューは中止。
お部屋でソーセージなど焼く。このソーセージは、米沢で買ってきた米沢牛の牛舌入り。
一緒にバーベキューはできなかったけど、三人組からは立派な鰺の干物をふたつ頂いた。安旅館の朝食に出るようなしけた干物ではない。肉厚で巨大、脂が乗りに乗っている。カナとレナはあっという間に平らげてしまった。
他の方に頂いたものはそれだけではない。
同じく仲良くなった隣室の親父さんからは、道場六三郎の粉末みそ汁。一番奥の部屋にいた人からは何故かニンニク。
自炊棟は楽しいな。いろんなものが物々交換。特に先に帰る人たちは、使い切れなかった食材など下さるわけだ。