28.小浜名物 小浜ちゃんぽん
だけど長い長い初日のスケジュールはまだ続くのだ。
本当のクライマックスはこれから。
お風呂からあがるとお祭り会場は灯りがともり始め、更に人が増えて賑わっていた。
さっきチェックしておいた湯処味処よしちょうへ向かう。
時刻はまもなく7時だ。
8時から花火大会だから、1時間ぐらいで夕食を食べてしまいたい。
オレンジ色のよしちょうの暖簾を潜ると、ちょうど店を出てきた一団とすれ違った。
なんとなく食事を終えた風ではなく、店に入れなかったような感じだった。
ちょっと悪い予感。
中に入るとすぐに従業員の女性が出て来て、店が満席であることを私たちに告げる。
やっぱり。
海上露天風呂の茜はからがらだったけど、食事処はぎゅうぎゅうということだ。
いつになったら席が空くか判らないという話だったので、諦めて違うところに行くことにした。
旅館國崎でもう一軒の食事処を教えてもらっていて良かったよ。
もう一軒のお勧め、和洋茶屋花春は、今入れなかった湯処味処よしちょうがお祭り会場の目の前、メインストリート沿いであるのに対し、もう一本山側の通りに面し、少し離れたところにある。
お祭り会場のある広場を中心とすると、温泉街の南の外れにある旅館國崎とは反対の北側に寄っている。
國崎で説明してくれる時に炭酸泉の方とか言っていたが、花春から更に山の方に行くと、高温の
小浜温泉では珍しいひんやりした炭酸泉が湧いているところがあるらしい。
そうは言っても今回は炭酸泉を見に行く時間はないが。
十八銀行と伊勢屋の間の細い道を入り裏通りに出る。
煉瓦敷きの道幅は広いがメインストリートの喧騒が嘘のように静かでどことなく薄暗い。
たまに酔った集団とすれ違うぐらい。ほとんど人通りが無かった。
地図はシンプルだったのですぐに店が判るかと思ったが、行けども行けどもなかなかそれらしいところが無い。
レナは足が疲れたと言うし、仕方なく私が先に見に行くことにした。レナはカナに任せてゆっくり来てもらうことにした。
道の右手に赤ちょうちんを見つけて、まさかあれではないだろうなと思ったら、それは花春の隣の弁天という飲み屋だった。
花春はひとつ先で、ちょうど道に面して駐車場があったため、建物が奥まっていて見え辛かった。
とにかくさっきのよしちょうのことがあるから、まずは店に入り席があるか聞いてみた。
10~20分程度で入れるということだった。
そして外に出ると子どもたちが見当たらない。
一本道だしまだ到着していないとは思い難いし・・・念のためカナの携帯に電話してみたら、やはり行きすぎていた。
店名は教えておいたが、まさか駐車場の奥の引っ込んだところにあるとは思わなかったようで、そのまま前を通り過ぎてしまったようだった。