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■□■赤倉温泉子連れスキー■□■

10.越後屋とムスタング



 当てが外れてしまって、目的もなく温泉街を散策してみた。
 みよしやの角で曲がると、温泉街のメインストリートに出た。
 メインストリートと言っても、旅館はむしろ和泉屋のあった通りの方が多い。
 こちらは土産物屋や食事処が軒を連ねている感じだ。
 パパは赤倉温泉は昭和で時間が止まっていると言う。
 確かに微妙にくたびれた土産物屋や活気のない通りは、20年以上前で時間を止めてしまったようだ。
 越後屋という土産物屋の前で温泉卵を売っていた。
 「越後屋っていう名前が多いな」
 「だってここ、越後だから」
 「でも越後屋って言うと悪役のイメージだよな」
 「悪代官の決まり文句だからねぇ」
 一個買ってその場でかぶりつく。
 半殺しキムチという名産品をつけて食べるようになっている。悪代官とキムチかぁ。
 「社会状況により温泉卵は堅ゆでにさせていただいております。ご理解下さいませ」という張り紙がある。
 衛生的な観点からとかではなくて、社会状況という表現に吹き出してしまった。


越後屋の温泉卵 丸かじりでどうぞ


 さて、ここまで来たなら地図に出ていた方の共同浴場までもすぐだ。
 さっきの様子だと、こちらもジモ専になっている可能性大だが、探索だけでもしてみよう。
 メインストリートをさらに進むと、昨日立ち寄った酒屋が見えてきた。
 その手前に旅館エスペロという、旅館にしては南米くさい変わった名前の宿がある。
 確か地図の共同浴場はこの裏手にあるはずだ。
 エスペロの両側をのぞいてみたが、横道は見あたらない。
 冬なので、除雪をしていないだけで実は道があるのかもしれないが。
 酒屋の先で左へ曲がってみた。
 そこは下り坂になっていて、ちょうど正面に山並みが見える。
 この辺りから既に温泉街は外れてひと気も無いが、さらに最初の角で左へ入ってみた。
 両側に積もった雪は深い。
 日当たりの悪い道だ。
 右手の建物に「ディスコ ムスタング」という看板が下がっていて、窓からは破れた障子が見えている。
 「ディスコに障子はいかんだろ」とパパ。
 というか、既に「ムスタング」とつける時点で終わっていると思う。
 どちらにせよ、今はやっているとは思えない佇まい。
 そのムスタングの斜め前、ちょうどエスペロの真裏に、どうも以前は共同浴場だったとおぼしきドアが見えていた。


角を曲がると・・・おお、絶景ではないか ムスタングという名前よりも、破れた障子が気になります




2-11.もうひとつの共同浴場へ続く


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