一昨々年辺りまで、今の新潟以上の頻度で群馬に通っていた。
群馬の温泉にはずいぶん行ったけど、取りこぼしていて心残りが強かった温泉の一つがこの鹿沢温泉だ。
鹿沢温泉の紅葉館は日本秘湯を守る会の宿で、昭和三年に南極越冬隊長 西堀栄三郎らがアメリカ民謡「いとしのクレメンタイン」の曲で雪山賛歌を作詞したことで知られている。
県境を越え、季節には湯の丸ツツジの群生が見られる斜面を見ながら進むと、何やら前方は激しい雪。
急カーブの続く路面はすり減ったスタッドレスにはきついようで、時々ずるずる滑る。
休暇村鹿沢のスキー場らしきものが左手に見えると、右側に青い巨大な氷の固まりのようなものが見えた。
あれは何だろう。
天然物?
人工物?
それを過ぎて右手に何軒かの家が見えたと思ったら、その中央が紅葉館だった。