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◇◆信州高山温泉郷で夏休み◆◇

8.雷鳴とどろく











 休憩の笛が鳴る前に、大きな雷鳴が轟いた。
 ぽつりぽつりと雨が腕に当たる。
 ようやく休憩時間になった。
 急いで子供たちを上がらせるが、その間にも雨は激しくなってきて、もう休憩でなくてもプールから上がると思える人が増えてきた。
 だから更衣室もめちゃ混みだ。
 ようやく場所を見つけて子供たちを着替えさせる。
 本当はサマーランドのすぐ裏手に須坂温泉という旅館があったので、帰りにあそこで汗を流していこうかなんてちょっと思っていたがそれどころではなかった。

 がっちゃんがサマーランドの出入り口まで駐車場から車を回してくれることになった。
 そうしている間にもどんどん雨は激しくなる。
 ちょっと屋根の下から出ただけでびしょぬれになりそうだ。

 私たちは急いで車に乗り込んだ。
 浮き輪も車に放り込む。
 ドアを閉めてと。
 がっちゃんが急いで車を発進させた。
 須坂の町を後にして、信州高山温泉郷への坂を上り始める。


側溝の水が・・・



 山を登る道路も凄いことになっていた。
 坂道をざんざんと水が流れてくる。
 フロントガラスも激しい雨でよく見えないほどだ。
 がっちゃんが、ほらあれと指さした。
 道の端に下水を流す溝があるが、怒濤のように流れてくる雨水が水しぶきを上げてその溝からあふれ出している。
 ところどころ道路の中央にも大きな水たまりがあって、がっちゃんの車がそこに突っ込む度に、スプラッシュマウンテンのような状態になっていた。

 ふと携帯を見ると、パパからのメールが入っている。
 「こっちは、雷の土砂降りだよ! そっちはどう?」
 どうって・・・
 どうって・・・
 どうってこっちも雷の土砂降りだよ。

 そしてようやく山田温泉の温泉街に差し掛かり、もうあと少しで松川渓谷温泉だというときに、私たちは信じられないものを見た。

 道路の真ん中を塞ぐようにして立てられている看板。
 「大雨通行注意 ここから山田牧場まで通行止めになります」

 つ、通行止めだぁ~!!?



2-9通行止めの交通規制に引っ掛かるへ続く


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