子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★☆☆☆☆ 泉質★★★★☆ 加水されてもお湯はかなり熱め
- 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★★☆☆ 脱衣所に子供の着替えに使えそうなベンチ状の台あり
子連れ家族のための温泉ポイント
山田温泉は信州高山温泉郷の中で唯一温泉街らしい温泉街を形成しているところだ。
泊まっている松川渓谷温泉からはちょっと下る。
開湯200年の温泉地で、森鴎外、与謝野晶子と言った明治時代の文豪に愛された歴史がある。
そして山田温泉にはシンボルである共同浴場大湯がある。
朝風呂に大湯に連れていってあげると私に言ってくれていた友人がっちゃんは、私の夫と前年の9月、信州高山温泉郷に来たときに山田温泉大湯に入っていた。
「俺の好きな熱いお湯」と、そのときの夫。
「カランが凄くかっこいいんだよ」と、そのときのがっちゃん。
だから私も今回大湯に行くのを楽しみにしていた。
山田温泉の村営駐車場は坂の上の方にある。
そこに車を置いて坂を下ればすぐに大湯だ。
坂道の左には風景館という瀟洒な旅館。
坂道の右には湯元館というこぢんまりとした旅館。
そして風景館の先に大湯。
墨色に塗られた木造の堂々とした造りで、ちょうど足湯のある公園の正面に建っている。
浴室は細長かった。
浴槽も長方形で、二箇所に湯口がある。
と思ったら洗い場の近く、奥の方にある湯口はカランで使われなかった余ったお湯が浴槽に流れ込むようになっているのだった。
・・・ということは、カランのお湯も源泉だ。
友人がかっこいいと評した大湯のカランはちょっと独特の造りで、常にお湯が流れている溝を、板を回して止めるようになっている。
止めなければ溝からお湯が絶え間なく流れ落ちる仕組みだ。
その数少ないカランは全て使用中だった。
朝一番ならいざ知らず、もう山田温泉大湯は大勢の入浴客で混雑していた。
お湯は本当に熱かった。
掛け湯をして入っても、最初はかなり熱く感じた。
でも流石に草津時間湯だとか、早朝の飯坂温泉鯖湖湯だとか、温泉卵じゃなくてかたゆで卵になっちゃう小野川温泉尼湯だとか、私が入った歴代熱湯温泉と比較したら大したこと無い。入ってしまえば落ち着く程度の熱さだった。
お湯の質は松川渓谷温泉にちょっと似ている。
ほとんど透明なお湯で、もちろん源泉掛け流し。消しゴムかすのような白い湯の花は松川渓谷より細かい。
すっきりさっぱりした感触で、やはりきしつく旗触り。
意外にそれほど一気には温まらない。
体感温度が他より熱かったから反対にそう思うのかも。
浴室は建物外観の歴史を感じさせる印象を損なわず、昔からずっとこんな風に愛されてきた温泉なのだとそんな風に思った。
とにかく混んでいるのだ。
観光客だけでなく地元の方も多い。
なお、この大湯から道を挟んで少し下ったところに、もうひとつ共同浴場らしい建物が建っているが、友人の話によるとこちらは地元の方専用なのだそうだ。
地元の方々は私よりよっぽど長風呂だ。
いつまでも浴室にいる面々は変わらない。
但し、お湯が熱めなのでお風呂の中に入っている人は少ない。
みんな浴槽をぐるりと囲んでお風呂に背を向け、ひたすらおしゃべりに興じていたりする。
これがきっといつもの山田温泉大湯なのだろう。