駐車場の奥に変形楕円形の目立つ建物が建っている。
あれが
ゆきだるま温泉雪の湯らしい。
駐車場の奥なんだから、思いっきりスキー場専用日帰り温泉という感じだ。
既に時間も午後2時、気の早い人ならそろそろスキーを切り上げて温泉に入ろうと思ってもおかしくない。混雑している可能性はありありだ。
そう、時間はもう2時。みらいを出発したのが12時半。
途中立ち寄った松代駅前を離れたのだって1時過ぎなのだから、キューピットバレイまでまるまる1時間近くかかったことになる。
地図で見る直線距離はたかだか10キロそこそこなんだが。
本当ならパパなど、休日のこんな時間にスキー場に隣接した温泉になど入りたがらない。
こういう立地条件なら、温泉だけ利用するなら午前中に来るのが賢い。
でもはるばる1時間かけてやってきたのだから、入らずして帰るわけにもいくまい。
駐車場に空いているスペースを探して、車を停めた。
寒い寒いという子どもたちを急いで建物の中に連れていった。
館内に入ったとたん、上半身は明らかに下着姿の幼児が目に入った。
・・・どうやら湯上がりは服が着られないほど温まる温泉らしい。
内風呂は細長い感じ。
妙な形だなと思ったら、男湯と女湯と二つのピースを合わせると雪だるまの形になるらしい。
といっても壁を透視できるわけじゃないから(当たり前だ)、縦に半分に切られた形だけ見ていても何のことやらさっぱりだ。
100人入浴できる広いお風呂だというけれど、それほどのサイズには見えない。
お湯の色は濁りのない緑色。
入ると熱めで冷えた体にはじんじんと染み通ってきた。
露天風呂もある。
隅にちょうど良いサイズの岩があったのでそこに腰を下ろした。
ゆきだるま温泉のお湯は
松之山の共同浴場鷹の湯にとてもよく似ていた。
臭いがガソリンスタンドの油の臭いにタイヤの臭いが混じったような感じ。ロウソクの燃え尽きた後のような臭いも混じっている。
内湯よりも露天風呂の方がよく臭う。
お湯の持つ重みも露天風呂の方が重いようだ。
ずっしりとして濃厚だ。
それにものすごく温まる。
yuko_nekoさんと、はるばる来た甲斐があったねとうなづきあった。
「今度来るときはスキーをしに来てもいいね」
うん、とは言ったものの、松代からキューピットバレイに来るのは大変だぁ。
露天風呂から見える景色は、ゲレンデではなく雪の斜面にぽつぽつとロッジが並ぶものだった。