お風呂から上がるとパパは「ここ、行ってみる?」と手のひらサイズのリーフレットを取り出した。
「新明館グループ三湯めぐり」と書かれたそれは、
新明館と
山みず木と
耕きちの湯の三ヵ所を紹介する内容で、フロントで山みず木宿泊者のスタンプを貰えば、宿泊証明チケットとして利用できて残る2湯に特別料金で入れるというものだった。
もともとの日帰り入浴料金は、旅館の新明館と山みず木は大人500円、日帰り温泉の耕きちの湯は400円。
黒川温泉入浴手形を使えば全部400円相当。
しかしこの新明館グループ三湯めぐりを使えば一ヶ所300円と一番お得だ。
というか、そういえば山みず木は新明館とグループ経営だっけと思いだした。
耕きちの湯はさっきの風の舎の担当の女性が「実は一押し、食事も取れますよ」とたいそうプッシュしていた。こちらも新明館グループだったとは知らなかった。
黒川温泉と言えば露天風呂巡りの入浴手形で、入浴手形と言えば旅館のお風呂のイメージが強く、つまり事前にチェックしていたのは旅館ばかりだったので、日帰り温泉である耕きちの湯はノーマークだった。
リーフレットの写真を見ると思いのほか雰囲気が良さそうだし行ってみますか。