27.天使のはしご
お風呂から上がると雲の切れ間からのぞく日差しはさらに神々しさを増していた。
重なる山の稜線に向かって光のシャワーを浴びせているよう。
県境超えた宮崎県だけど、古代の神々ゆかりの場所を巡ってきた後で、ああ神様っているんだなぁと思う、心の中にね。
ルートは本当に午前中通った道の逆方向。
垂玉温泉山口旅館の横を過ぎてさらにもう少し山道を登ると今夜の宿
地獄温泉清風荘だ。
道路から見るとシンプルな作りだった垂玉温泉と異なり、地獄温泉清風荘は遠目に見えてきたときから敷地一帯増改築して複雑な作りになっていそうだなと思われた。
パパは山の中だからもっと空いていると思ったと言って駐車場を見回したが、確かに混んでいる。
ここは垂玉温泉のように立ち寄り入浴は午後4時までと早々に切り上げておらず、夜の8時までのんびり受け付けている。だからもしかしたら宿泊客だけでなく、日帰り利用の人も混ざっているのかもしれない。
そうしている間にも家族連れが車を降りて建物の方に歩いて行った。