子どもたちを寝かし終えてから、えんぴつさんたちの部屋に移動すると、もうみんな飲んでいた。
ちょうどテレビには
つま恋温泉山田屋旅館が映っていて、見覚えのある湯口のたぬきが見えた。
何だか温泉好きで集まっても、いつも温泉の話をしていないような気がするな。
この日も酔っぱらって脱線しまくり。
珍しくパパも最後まで起きていた。いつもなら誰より早く寝てしまうのに。
大きな声を出していたわけではないのだが、やはり夜遅くなると隣室に迷惑もかかる。
途中で一階にある紺碧七さんの部屋に移動してみんなまだまだ飲み続けた。紺碧七さんの部屋は厨房や空き室に囲まれているので安心だ。
そしてもう午前0時を回った頃、酔っぱらいたちは口々にラーメンが食べたいと言い出した。
私が今年のはじめ
新潟の旅行記で、パパが「飲んだ後には汁物が食べたくなるんだ。酒飲みの常識だ。yuko姉さんなら絶対賛同してくれる。彼女が一緒ならタクシーを呼びつけてでもラーメン屋を探すに違いない」と言ったと書いたことをみんな覚えていて(
がんばれ新潟
雪国のお正月2006 金誠館の浴室にて参照のこと)、そうだ、飲んだ後にはラーメンだと、みんな揃って肯いた。
ちなみに私は酔っぱらっていなかったし、別にラーメンが食べたい気分でも無かったので賛同はしない。
でも面白そうなことにはついていく性分なので、みんなと一緒にコートを着込んだ。
晶ちゃんとだださんは寝ることにした。
ラーメンなら行くと起きてきた消しゴムさんを加え、パパと紺碧七さんとえんぴつさんと一緒に身を切るような寒さの夜の草津にさまよい出た。
ラーメン屋はどこそこの通りにあったっけ。
いやいや湯畑のところ、
白旗の湯の前に屋台があったよ。
この季節にまさか屋台は出てないだろ。
そんな話をしていたが、信じがたいことに氷点下の湯畑前に赤提灯の屋台はちゃんと店を開いていた。
もちろん流石の湯畑前もこの季節のこの時間では人通りは絶えている。
誰が屋台のラーメンなんて食べるんだ?
って、ここにぞろぞろといたっけ。
みんなはそれぞれ好みのラーメンを注文して、屋台の前に据え付けられた吹きさらしのテーブルについて熱い麺をすすり始めた。
するとどこから来たのか浴衣姿の数人の男性がやってきて、「あっ、ラーメンだ」とかなんとか。
「ここのラーメン、旨いですよ」とパパ。
「おお、そうかそうかー」
浴衣姿の酔っぱらいたちも次々ラーメンを注文した。
夜中の屋台、大賑わいだ。