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がんばれ新潟■雪国のお正月*2006■

14.金誠館の浴室にて



 部屋に戻ると、パパがお腹を空かせていた。
 もし途中にコンビニか開いている店があったら何か買ってくると約束していたが、中央温泉までの往復で何か買えそうな店はどこも開いていなかった。
 子供たちにはあるだけのお菓子を食べさせたので大丈夫だろうと言う。
 「俺はラーメンが食べたい」
 「ラーメン屋なんてどこにも開いてなかったじゃない」
 「飲んだ後には汁物が食べたくなるんだ」
 「・・・そういうの、よく判らないんだけど・・・」
 「酒飲みの常識だ。yuko姉さんなら絶対賛同してくれる。彼女が一緒ならタクシーを呼びつけてでもラーメン屋を探すに違いない」
 ごめん、私は酒は人並みに嗜む程度だから・・・。

 子供たちを寝かせる前に、子供たちも宿のお風呂に連れていった。
 金誠館のお風呂は不思議な作りで、内湯が二つ連結している。
 浴槽も洗い場も双子のように似ていて、外に面した方だけ上部がサンルーム風になっている。
 たぶん露天風呂にしたかったところ、景観と雪対策でガラス天井をつけたら内湯と何も変わらなくなってしまったというところだろうか。
 長方形の御影石調の浴槽に角の所から蕩々と透明なお湯が流れ込んでいるところは、先ほど入ってきた中央温泉と通じるところがある。
 内湯が熱く、サンルームの方が少しぬるかった。
 お湯の鮮度も感触も中央温泉とほぼ同じようだ。


金誠館の浴室は、男性用がお六の湯、女性用が桂姫の湯と名付けられている


 先客は小さな女の子を連れた母親だった。
 女の子は3、4歳ぐらい。ちょっとたどたどしい口調で「お姉ちゃんと遊んでいい?」と聞いてきた。
 「どうぞどうぞ。カナ、レナ、一緒に遊んであげてね」
 「いいよ」
 カナが手にしていたポケモンの玩具を貸してあげる。
 「これ使う? 三個持ってくれば良かったね」
 「うん、ありがとう」
 そう言いながらも女の子はちらちらと母親の方を見ている。いつ呼ばれるかとびくびくしているようだ。
 母親は自分を洗い終えると子供を呼んで、子供の髪も洗い始めた。
 それからまたカナたちのところにやってきて一緒に遊ぼうとする子供を呼び、今度は歯を磨き始めた。
 私はちょっと公共の浴室で歯を磨かれるのは苦手なんだけど・・・女の子も、お姉ちゃんたちここに泊まってるの?と聞いていたし、どうもこの人たちは宿泊客ではないようだ。。
 えらく大人しく、かつ躾の行き届いたこの子は、もしかして旅館の関係者なんだろうか?とも思ったが、上がるとき見ていたら、母親は分厚いコートを着て、女の子をおんぶ紐で背中にくくりつけていた。
 どうもお風呂を借りに来た近所の人のようである。
 その後、夜にもう一度お風呂に入りに来たときも思ったが、ここは小綺麗な和風旅館の外観とは裏腹に、ご近所さんの気さくな温泉銭湯の役割も果たしているのかもしれない。



5-15.夜のティーラウンジへ続く


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