子連れ旅行温泉日記

紅葉の温泉を探せ 4-1


1.滝乃湯再訪

四日目 2003年9月22日(月)


 昨夜片付けるつもりで寝てしまったパパは朝は早起き。4時半くらいから起きだして撤収を始めた。
 幸い今は雨は降っていない。ただ残念なことに4時頃に一度ぱらっと来たので、テントがぬれてしまった。乾いたまましまうことができたらパーフェクトだったのにな。
 そんなこんなで朝の8時にはもう出発準備が整った。子供たちは車の中で朝食のパンをかじった。
 これからどうしようか。
 本当はせっかく吹上に3泊もしていたのだから、吹上温泉峯雲閣のお風呂にどこかで入りたかったけど、本当にタイミングが合わなかった。今にして思えば、初日に入れればあれが最後のチャンスだったのだ。
 最後の最後だからここを離れる前に鳴子に寄って行こう。実は昨夜からそう決めていた。
 鳴子でどこにするか。
 私はどこか旅館のお風呂に入りたいと思っていた。自分として興味があるのは、ゆさや、馬場、西多賀、東多賀、元蛇など。しかしパパは共同浴場がいいと言う。まあ、馬場温泉なども共同浴場だが、パパがイメージしているようなところはきっと滝乃湯か早稲田桟敷湯だろう。早朝から開いているし、それなら滝乃湯にしよう。

 すきっ腹をかかえて鳴子の町へ。
 昔ながらの狭い街並みは道も細く駐車場もなかなか見つからない。
 えーと、滝乃湯はこちらとの看板は昨日の夕方鳴子を通過した時に見たぞ。でも駐車場は…。
 少し外れたところに鳴子湯巡り用の臨時駐車場があったのでそこに停めさせてもらった。ここからだと早稲田桟敷湯の方が近いけど初心に徹して滝乃湯へ向かおう。
 大型ホテルの鳴子観光ホテル前で左に曲がって、うなぎの湯で有名なゆさやの隣が有名な共同浴場 滝乃湯だ。靴を脱ぐと目の前が受付で左右に男女別の脱衣所。朝まだ早いからか男湯はほとんど人がいない。女湯は何人か先客がいて一人は湯船のすぐわきの床に仰向けになり、寝湯状態。

 実は滝乃湯には以前一度来たことがある。ほとんど温泉に入っていなかった頃のことで、薄暗い雰囲気のある浴室にざんざんと木の湯口から滝みたいにお湯が注がれていたことだけ覚えている。情けないことにお湯の色すら覚えていない。
 仙台の友人が、あと早稲田の学生が掘った温泉もあるんだけど、まあ最初はこっちかな、と言いながら連れてきてくれた。そんなことを記憶している。

 記憶にあるより明るいつくりだった。脱衣所はあまり広くないが木の台があり赤ちゃんでも脱がせやすそう。浴室も浴槽も床も木で、とても雰囲気がある。浴槽は二つで大きい方がかなり熱く、小さいほうがぬるく深い。掛け湯用のお湯は木枠のようなところから二本ざあざあ流しっぱなしで、それぞれの下に洗面器が置いてある。なんて贅沢なお湯の使い方だろう。浴槽だって滝状に投入されるお湯は惜しげもなく、掛け流される量もざぶざぶという感じだ。

 カナはまたパパと入ったので、レナだけが女湯についてきた。
 案の定温い浴槽にはまり、深いのでほとんど顎の下までお湯が来るがご満悦。
 硫黄臭にツンと来るアルミニウム缶の臭い。味はかなり酸っぱい。酸ヶ湯がレモンなら、こっちは薄めた酢かな。薬っぽい苦味もある。
 ぬるい浴槽は、最初はこれでも温かいと思ったが、入っているうちに寒くなってきた。熱い浴槽は最初は躊躇するほど熱く感じたが、温い方に入った後に入るとちょうど良かった。熱い方に入った後にもう一度ぬるい方に入るとむしろ冷たいくらいに感じた。
 お湯の色は、青灰色。沈めた手は見えるが足はまったく見えない。浴槽の縁の半透明な薄い青色を見ていると綺麗だなぁと思う。非常にインパクトの強いお湯。


鳴子温泉 滝乃湯
鳴子温泉の共同浴場 滝乃湯

観光客でも入りやすい佇まいだが、そのパンチ力は比類なきパワーを秘めて入浴客を次々虜に…
青白いお湯
薄暗い浴室
湯口から音を立てて流れ落ちる源泉

日本人でよかった 
鳴子温泉 滝の湯



4-2.旅館すがわらで貸切風呂へ続く


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