「それで、今日は何か予定はあるの?」とパパ。
「鹿児島市内、行ける?」
パパは露骨に嫌だという顔をする。
「町中は渋滞するから近づきたくない」
「でも城山展望台から桜島が見たいよぉ」
「別に桜島はもういっぱい見ただろ」
「そこをなんとか」
「・・・で、他には?」
「あとね、紫尾温泉と湯川内温泉に行きたい。それと出水に行って鶴を見る」
再び指宿スカイラインを使って10時過ぎには鹿児島市の城山展望台の坂道を登っていた。
町中にこんな山があるんだなぁと九十九折りの急坂を登り、駐車場到着。
駐車場の周辺はずらっと昭和半ばからあるような古い店舗が並び、土産物を売っている。
西郷隆盛グッズは判るが、くまモン専門店は違うだろう、くまモンは。
さらに紅葉の残る石畳の遊歩道を進むと、ガイドブックで何度も見たことのある開けた場所に出た。
立木がまるで額縁のようになった間から、どーんと桜島。
手前にビルの立ち並ぶ鹿児島市内。
ちょうどこれらを見下ろす立地。