まさかりテイエム温泉牧場とイーグルの次の行き先はいよいよ桜島。
いったん南国らしい椰子の並木が海岸沿いに続く国道220号線を戻り、大正時代に溶岩で繋がったくびれの桜島口で左折する。
道の右側、木立の奥ににぼこぼこ盛り上がり固まった溶岩が林立する奇怪な光景。その名の通り、これらは大正溶岩と呼ばれている。
一方道の左側は風光明媚だ・・・と言っても今日は天気が良くないが。
溶岩の群れが終わると右側には峰の稜線が雲か噴煙かわからない中に向かって伸びていく迫力のある景色が見えてくる。
今から向かうのは古里温泉。
桜島の南側の海岸沿いにあり、作家 林芙美子が一時期住んでいたことがあるというこの地区の温泉は、元は三軒の宿が並んでいたようだが、一軒は廃業し、今は二軒のみ営業を続けている。
大隅半島からアクセスすると、手前がさくらじまホテル、奥が桜島シーサイドホテル。
桜島シーサイドホテルの方に入ることにした。
熊本に一年暮らしたパパは、当時九州のあちこちを自転車で回って、その時の桜島の古里温泉にも立ち寄り入浴したことがあると言っていたが、桜島シーサイドホテルに入った後は、このホテルじゃ無かった気がすると呟いた。さくらじまホテルの方だったのか、あるいは既に廃業したもう一軒だったのか。
とにかく桜島シーサイドホテルに車を停めると、外観にちょっと不安になった。
昔は立派なホテルだったんだろうと思うけど、かなり古くてまるでやっていないかのように見えたからだ。もちろん駐車場にも他に車は停まっていない。
場所柄、ひたすら灰をかぶるはずなので、どうしても外観や無造作に玄関周辺に置かれた植物が色あせて見えるのも仕方ないのだと思う。
しかし自動ドアは開いて、中はちゃんと営業していた。ホテルの人の感じも良い。
お風呂はフロントの正面の階段を下りると教えてもらって、やっぱり古そうな廊下を進むと、やがて男湯と女湯の入り口があった。でも露天風呂はもっと先みたいで矢印がある。繋がっていないなら露天風呂から先に行くか。何しろこの桜島シーサイドホテル、有名なのは海の見える露天風呂のはずだから。