栗野岳温泉南洲館のお風呂から上がった後はもう空腹が限界を超えていた。
そういえばとパパが茹で卵をひとつ取り出した。
あっそれは、最初に入った妙見温泉田島本館で買った塩ゆでたまご!
たった一つだけのゆでたまご。一口貰った。
あー、これの教訓はあれだな、旅行中は最悪の場合を覚悟して、食べ物を見たらとりあえず買っておけ。
そのあとガイドブックで南洲館から遠くない霧島アートの森やその近くにランチが取れる洒落た店があるらしいことが判ったが、走っているうちに通り過ぎてしまったようだ。
レンタカーを借りるときに貰ったコピーの地図の一枚、霧島ロードマップというのを見ながら走っていたのだが、この地図では栗野岳温泉や霧島アートの森から伸びる道は切れているが、それは誤りでカーナビを見るとこのまま霧島温泉方面へ抜けられるようだ。
そろそろ2時半か。
もうまともな昼食は無理だろう。
鹿児島ラーメンとか、黒豚トンカツとか、イメージしていた鹿児島のお昼御飯が遠ざかっていく。
その後、天下の名湯 関平鉱泉と壁にペイントされた建物が隣接している牧園町特産品販売所をちょっとのぞいて霧島温泉の中心地へ入った。
旅館やホテルが林立しているが、驚いたのはあちこちから激しい湯煙が上がっていること。
もくもく・・なんてのんびりした上がり方じゃない。ゴゴゴゴ、ブシューッみたいな激しい情熱的な湯煙だ。それがあっちにも、こっちにも。
ひときわ大きな湯煙の後に見えてきたのはカーブの向こうの霧島ホテル。
今回は検討したものの宿泊は諦めてしまったけど、こりゃあいい湯があるに決まってる。
ただ、お風呂もいっぱいあるだろうから、ちょこっと寄っただけでは良さが判らないかも。
そうそうこの辺でも高度があがったせいか道の端に雪が増えてきた。
眺めの良い場所もあったので車を停めてもらって写真を撮った。
雲が多いけど、ちょうど見下ろす先に光っているのは錦江湾。そしてうっすらとその中央に巨大な桜島。