1.白い朝
二日目 2003年12月27日(土)
昨夜は星も見えた榛名湖だが、夜のうちに音も無く雪が積もっていた。
白い朝。
空は青空。
テレビをつけると、東京でも初雪を観測したという。中継で映った草津は今朝もまだ降り続いている。今日は一日雪模様なのだそうだ。昨日万座に行っておいて良かったかもしれない。
朝食はお好みサンドイッチ。ハム、レタス、チーズ、卵、好きなものを自分で挟んで食べる。
パパが、今日何処へ行くか決めてと言う。
じゃあ、雪深い山の上は嫌だとか、何キロ以内ならいいとか条件を言ってと言うと、どこでもOKと返された。但し、道が凍って混雑が予想される伊香保方面を通るのだけは嫌だそうだ。
今回の旅では、私が一番行きたかった
万座温泉は昨日行くことができた。次はパパの番だろう。彼は
四万温泉に行きたいと言っていた。
「今日は土曜日だから
四万は混むかな?」
「日曜日よりは空いているんじゃないか?」
旅行前から家族でお腹の調子が悪かったし、ここは胃腸の名湯、飲泉可能な四万温泉にしようか。
部屋は三階なのでエレベータで降りるのだが、屋根の無い通路ががちがちに凍っている。朝から管理人さんが綺麗に雪掻きしてくれたのだが、足元の氷はスケートリンクのように厚くなっていて、昨日もレナが滑って転んだ。
榛名湖周辺はよく晴れている。
駐車場に積もった雪にスキーのストックで跡をつけて、カナとレナはウサギの足跡を作ったつもり。
榛名山を下る道は、昨日以上に雪で真っ白だ。
「凄いね」
「いや、アイスバーンよりは滑らないよ」
と言っているそばから、ずざざざざとタイヤが滑る。
ははははは。横転だけは勘弁してよ。
ちなみに「凄いね」と言ったのは道の凍りつき具合ではなく、正面に聳える岩櫃山の眺めだった。