4月28日(月)
今朝は朝から晴れ渡り、子供たちは「晴れてる晴れてる」と起こしに来た。
榛名湖に来るたび、一度行ってみたいと思っているところがあった。
川遊びをしながら温泉なんて、きっと子供たちが大喜びするのではないかと思って。
それは、
尻焼温泉。
川の中から50度台のお湯が湧いていて、川の水と混ざって適温になるとのこと。お尻が焼けるようだから尻焼温泉。面白い名前だよね。
が、毎日尻焼温泉のデータをアップされている
尻焼温泉日記を参考までに開いたら…なんと1週間ぐらい前は30度近くあった川の水温が、昨日、今朝と7度しかない。気温は順調に上がっているのに何故何故?と思ったら、気温が上がった分雪解けが進んで、雪解け水が大量に川に流れ込み、水温が下がっているということらしい。
や、やられた…。こりゃ駄目か?
でもまあ、川には入れなくても川原に無料の野天風呂もあるらしいし、行って見るか。帰りに
草津に寄るのもいいかもしれない。
長野街道をを川中温泉の看板を過ぎて、いつのまにか切立った吾妻渓谷。
新緑にはまだ少し早く、芽吹き始めたばかりの木々の黄緑色と剥き出しの幹の茶色、それに清流の青と白、ときおり山桜が淡い紅を添える。
(拡大画像 1) (拡大画像 2)
六合温泉、
応徳温泉を後にして、尻焼と草津の分岐点で少し行き過ぎてしまったら、川に沢山の鯉のぼり。春の風にはためいている。
エメラルドグリーンの白砂川に沿って北上する。
この印象的な川の色は、水が酸性だかららしい。夏休みに行った秋田の玉川温泉辺りも同じような川の色だった。この辺りも草津が近いし、川も酸性なのかな。
集落が見えてきたと思ったら、花敷温泉だった。ここまで来れば尻焼は目の前だ。
公共駐車場に車を停めて、川の露天風呂がどうなっているか様子を見に行くことにする。
駐車場から長笹沢川を見下ろしたところ。向こうに見えている建物は尻焼温泉の関晴館別館(本館は花敷温泉にある)。
駐車場から橋を渡り上流の方へ行くと、川原へ降りられるように階段がついている。
急な階段でちょっと怖いかな…。
降りたところがここ。この川が二段になっている間のところが、本来ならお風呂になるらしい。
でも水量が多くて温度も冷たい、とにかく水に入ったらそのまま流されそうだ。とてもじゃないけど温泉を楽しむという状況じゃない。
川原に屋根をかけた湯小屋がある。こっちが無料の野天風呂だ。
パパが入りたいなぁ…とぼそりとつぶやく。
入れば。でも様子を見に来ただけでタオル一つ持ってないから入れないか…。
パパがにやりと笑って頭を指差した。
あーっ。
彼は頭に汗止めのために温泉タオルを豆絞りにしていたのだ。
さては予測していたな。
いや、たまたまだって。
彼は嬉しそうにさっさと服を脱ぐと、ああ、いい湯だな…と、ざぶん。
あーあ…。
子供たちは川原のタンポポ摘みに夢中で入らず。
仕方ないので私は片手だけ入れてみた。
ちょっと熱め。無色透明ながら湯の花が舞っている。
飲んでみると薄いゆで卵系の味。
ひっきりなしに観光客やらライダーくんやらやってきて湯小屋をのぞきこむが、みんなあまりに丸見えなためか、あまり入ろうとはしない。
とにかく脱衣所がないも同然なので、女性が昼間入るには勇気がいるだろう。それでも脱衣のためにプール用のゴム入りバスタオルでもあれば何とか入っちゃったところだが、手ぬぐい一枚持ってこなかったのが悔やまれる。
パパが上がって一言。「さっぱりした」
きーっ、悔しいぃぃぃ~。
川原のお風呂から見るというわけには行かないが、川沿いはちょうど桜の見ごろ。この写真は尻焼の橋の上から。
関晴館別館の立ち寄り時間にはまだ早いし、どこか他の温泉を探しに行こう。尻焼はもっと水量の少ないときに必ずリベンジだ。
花敷温泉の手前で釣堀の看板を見かけた。
お昼は釣りをしてその魚を焼いて食べるのがいいかなと、パパは釣堀を探したが、ぐるぐる回っても看板以外何も見つからない。あきらめて野反湖に行ってみることにした。
405号線を花敷の方へ曲がらず更に北上すると、長野県との県境手前に野反湖という風光明媚な湖がある。野反湖の先は道も途絶え、もし沢沿いにずっと歩いていくなら、やがては川を掘ると温泉が湧くので有名な秋山郷の切明に到達する。
湖はもう分水嶺の向こうにあり、野反湖の水は太平洋ではなく日本海へ流れていく。
高度が上がると道の端に雪が見え始めた。
野反湖に着いてびっくり。桜咲く下界と違ってここはまだ真冬の様相だった。湖は完全に凍っている。
なんとなく野反湖というと、青い湖に黄色いすげの花が一面に咲き乱れているイメージがあったが、残念ながらまだ青と白の世界だった。(ちなみにノゾリキスゲのシーズンは7月)。
山の上にこんなに雪が残っているんじゃ、尻焼温泉が川の水で埋没しちゃうわけだよな。やられた。
山菜取りか春山登山か、野反湖のダム傍のレストハウスは結構車が停まっていた。食事どころもあるにはあるが、おでんやカレーぐらいしか無さそうだったので、応徳温泉まで戻って昼食にすることにした。
道の駅六合に隣接して応徳温泉くつろぎの湯や、観光物産センター、六合山荘などが立ち並んでいる。その一角。「野反ライン山口食堂」。
ガイドブックにはまいたけ丼やすいとんなどがメニューと載っていたので、入ったら各席にいきなり焼肉屋にあるようなプレートがあることにびっくり。
実はここではイノシシ、鹿などの焼肉を食べることができるのだ。
パパはシシ肉を頼んだ。油の乗った分厚い切り身がどんと出てくる。
これがまたすごく美味しい。臭みがなく、かりかりとしている。
とても気に入ったパパは、何とおかわりを頼んでしまった。カナも気に入ったらしく、もっともっとと際限なく食べる。
まいたけ丼も頼んでみた。まいたけが沢山載っていて、食べてもごはんがなかなか出てこない。
こんなに美味しいものが食べられるなら、遠くまで来た甲斐があったとパパ。
このお店では、1,000円以上の食事をすると、六合村の村営温泉割引券を出してくれる。すぐ隣の「応徳温泉くつろぎの湯」、尻焼温泉の湯を引いたプールもある施設「六合温泉医療センター バーデ六合」、蘭学者、高野長英所縁の「六合赤岩温泉 長英の隠れ湯」の三つだ。それぞれ100円引きになる。
どれがお勧めですか?と聞いたら、地元の方らしい他のお客さんが、「くつろぎの湯が一番いいよ、胃腸の調子が悪いときなんか、飲んでも効くんだ」とアドバイスしてくれた。
目の前に温泉があるんだから応徳温泉に入っていこうか…とも思ったが、空があまりに青かったので、急に露天風呂に入りたくなってきた。
残念ながら割引券の三つの施設はどれも内湯のみだ。
割引券には期限がないようだから、これはまた、天気が悪い日に使わせてもらおう。
そこで無計画な我が家は、当初の計画通り、最後に草津へ向かうことにした。
西の河原公園のパーキングに車を入れ、草津ホテルの横を通って公園内に向かう。
初めて来たけど、ここはなかなか面白い。あちこちに湧いた温泉が溜められていて、まるで無料の足湯がいっぱいあるかのようだ。実際に靴を脱いで足をつけている人も沢山いる。
園内の草津穴守稲荷神社。東京の大田区に本社があり、祭神は豊受姫命だそうだ。
草津ビジターセンターの奥に、目指す
西の河原大露天風呂がある。
源泉は万代鉱源泉。広さが自慢で男湯は500m2もあるらしい。
パパは、尻焼で一人だけ入ってしまったことを悪く思ってか、自分が子供たち二人と一緒に入っていいと言う。
それでは久しぶりに一人でのんびり入らせてもらうとしますか。
脱衣所は規模の割りに狭い。ロッカーもコインが戻らないタイプだ。
浴槽は本当に広々として気持ちいい。お湯は前に入った
大滝乃湯と違って、濁らず透明だ。色は緑色っぽく見えるが、底の藻の色なのかもしれない。
気持ち熱め。でも入ってしまえばそれほど熱く感じない。臭いは西の河原公園自体には硫黄のような臭いも立ち込めていたが、ここではむしろ酸っぱいような臭いの方が強い。味はレモンのようで、でも最後に炭酸みたいなさわやかさが残る。とにかく酸っぱい(笑)。
指に傷があったのでしみるかと思ったが、それほど刺激的ではなかった。すっきりさっぱりしたお湯だ。
ここは何だか年齢層もさまざまだった。若い女性が他の温泉施設より多かったようにも思う。
まあ、とにかくいっぱい人がいた。公園内も大勢いて、パパはこの旅行中あまり混雑に逢わなかったので連休を楽しむ大勢の人はどこにいるのだろうと思ったら、みんなここ(草津)にいたのか、なんて笑いながら言っていた。
お風呂上りに公園内で足湯をしてみるカナ。
ここもそんなに熱くないよ。
ふと岩のところに粉のようなものが…。
これなぁに?とカナ。
それは湯の花。集めて売っているんだよ。普通のお風呂に溶かすと温泉になるよ(注 草津の湯が再現できるわけではありません、念のため)。
公園内で思わず真剣に湯の花を採取する怪しい親子(笑)。
ちなみにこれがその湯の花(笑)。
続く…