子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★☆☆ 泉質★☆☆☆☆ 温度は少し熱め、泉質は酸性泉なので多少刺激あり
- 設備★★★★★ 雰囲気★★★★☆ 脱衣所にベビーベッド有り、大広間休憩室有り
子連れ家族のための温泉ポイント
東日本で最も有名な温泉の一つである草津温泉に、宿泊するなり日帰りで遊びに行くなりして、昼間などどこか温泉に入ろうと思ったとき、無料で入らせてもらえる18もの共同浴場や日帰り入浴を受け付けているホテル・旅館などもあるが、代表格として最初に選ばれるのはまず西の河原露天風呂か、ここ、草津町第三セクター経営の日帰り温泉大滝乃湯だろう。
今でこそ機会があれば共同浴場を回ったりしているが、私も最初に草津に子連れで来たときは、迷わず大滝乃湯に入った。
例えば共同浴場は基本的に地元の方が優先的に利用する場であるし、洗い場もなく湯船だけ、それも激熱の湯がなみなみと入ったお風呂であることが多いのに対し、大滝乃湯は家族連れで気軽に利用できる設備が整っているからだ。
大滝乃湯はそんな草津初心者に有り難い施設であるだけでない。
大滝乃湯に引かれている煮川源泉は通に人気の高い源泉であるものの、草津の数ある源泉のうちでも宿泊施設にはいっさい引かれておらず、入るには大滝乃湯か、そのすぐ隣にある共同浴場の煮川の湯に行くしかない。
さらに大滝乃湯には合わせ湯という独特の入浴法を試すことのできる浴室がある。
合わせ湯用の浴室はぬるい湯から熱い湯まで1~2度刻みの湯を張った異なる浴槽を備えた湯治場風の作りで、誰でも気軽にこれを体験することができるようになっている。
2001年、実は初めて大滝乃湯を訪ねたときには合わせ湯がどういうものか館内に説明が無かったため、疑問ばかりを持ち帰ることになった。
合わせ湯は基本的に混浴(2007年当時の話、2011年12月に女性専用合わせ湯浴場が完成したことにより、現在は混浴廃止)であり、間間に女性専用時間帯が挟まれているが、男性は露天風呂からそのまま合わせ湯浴室に移動できるのに対し、女性はいったん服を着て合わせ湯専用脱衣所に移動しなくてはならない。
合わせ湯が何であるかよく判らない段階で、小さな子供を連れて脱衣所を移動しながら何度も服を脱いだり着たりすることはできなかったのでこのときは諦めて大浴場と露天風呂のみに入った。
仕方なく2007年に一人で再訪した。目的はとにかく合わせ湯。
合わせ湯は六つの浴槽のうち五つを順に巡るようになっている。
合わせ湯の浴室の壁には一応入る順番が記載されているが、まあここは観光客に湯治場の雰囲気を感じてもらえば良いというコンセプトで作られているので、あまり深刻に考えずに好きな順序で入って良いようだ。
いきなり熱い湯に入る前にぬるい湯か適温の湯でウォーミングアップをして、また熱い湯の後にはぬるい湯に入ってクールダウンするのが施設側のお勧めらしい。
ぬるい湯は40度、熱い湯は46度。ただし日によっては全体的にぬるめの設定になっていることもある。
煮川・・・煮える川とはまた熱そうな名前だ。
一昨日、昨日今日と立て続けに入った他の湯畑源泉の湯が肌馴染みの良い優しい感じの湯だとすると、煮川源泉の方は硫黄の臭いも強くパンチも強い。
熱い浴槽のお湯はぴちぴちしている。ぐんと水圧を感じる。皮膚を境にして、自分の体とお湯が闘っているみたいだ。
しばらく入っていると弱点であるすねがちりちりと痛み出した。自分はやっぱりここの血行が悪いみたいだ。
上がるとどっと疲れる。
ぬるい湯に入ったときとは比較にならない疲労感。どっと汗も出てきた。
ぬるい方はぬるい方でのんびりと入っていられる。どこかぬるぬるとした皮膚が溶けているような感触も楽しめる。但しぬるくて入りやすいからといって長く入りすぎるのは禁物。食用酢より酸性の強い泉質だからだ。
上がった後には水分補給を忘れずに。
合わせ湯の後は大浴場と露天風呂へ。
こちらは子連れでも安心。特に露天風呂はそれほど熱くない。
大滝乃湯は基本的に煮川源泉利用だが、
大浴場と合わせ湯の壁際の浴槽の一つは打たせ湯にだけ万代鉱源泉を使っている。万代鉱源泉は煮川源泉以上に強い酸性なので少し注意。
露天風呂は岩壁から一面に湯が流れている。
これを滝に見立てて大滝乃湯と名付けたんだろうか。
僅かに白濁したお湯は肌触りもよく、いつの間にか雪雲の消えた青空を見上げて、ついついのんびりしてしまった。
目の前に赤ちゃんを連れたお母さんが入っている。
うちの小学一年の次女も前に大滝乃湯に来たときはこのくらいのサイズだったな、と懐かしく思い出した。