榛名湖日記 その4 初日  ◇温泉三昧の一日 -上牧風和の湯・遊神館-◇


12月28日(土)

 年の瀬も押し迫った12月の終わり、向かったのはいつもの榛名湖。
 今回は初日に、takayamaさん(群馬の温泉ページ管理人)、紺碧七さん(紺碧7's Page管理人)、こばちゃんが天神の湯で出迎えてくださることになっている。
 しかし…。

 高速に乗る直前に、
「宿泊票持った?」とダンナ
「げ!! 忘れた!!」と私。

 いきなりもと来た道を引き返す羽目に…。大失敗。先行き不安。40分のロス。
 それにしても高速に乗ってからじゃなくて良かったー。汗汗。


 夜が明ければとにかく快晴。
 素晴らしく晴れ渡っている。やっぱり旅はこうでなくてはね。

 朝7時に高崎 天神の湯に到着の予定が、着いたときは7時40分。それから車の中で子供たちを着替えさせたりしていたら8時近くになってしまった。

 入館すればすぐ紺碧七さんたちが判るかと思っていたら、どうも入浴中だったらしく、知った顔が見つからない。声を掛けてくださったのは、ないしょさん。
 ないしょさんと、ひでさんも来てくださったのだ。ありがたーい。

 早速、今年の4月以来の天神の湯に入浴。
 以前は赤ちゃんでも入浴できたが、その直後、おむつをしている子供は入館不可となってしまった。もちろん、おむつの取れていない子供を公共のお風呂に入れるときはいろいろ問題があるから、施設の決断もよく判る。幸いうちのレナは、今回はもう、おむつも取れていて入館にも問題無し。

 軽く体を洗って、まずは内湯へ。
 前よりパンチが弱くなって肌辺りが優しくなった気がする。そうか、湯がかなりぬるめ設定になっているのね。電光表示板には39.6度の文字。
 それに以前はきしきし感を感じた気がするのに、きしきし感もあるけどずっとにゅるにゅる感が強い。きっとこれは、前回は私の経験不足による判断違いがあるかも(今でも経験不足だが(笑))。きしきしとにゅるにゅるが同居してるのはちょっと面白い感覚。
 臭いはタールっぽい感じ。割といつまでも嗅いでいたいような癖になる臭い。

 露天風呂もかなりぬるい。気温が低いせいもあるかな。源泉浴槽は今回も激熱というほどではなかったので、入ってみた。
 寒い日はこのくらいでちょうど良いかな…と思ったけど、
「熱いよ~出る~」とレナ。やっぱり三歳なりたてにはちょっと熱かったか。

 上がったら、みんな揃っていた。
 軽く朝食を取って、地図を開く。
 我が家が群馬を訪問するのにあわせて、みなさんで日程を組んでくださった。本当にありがたいことだ。
 榛名湖の宿泊施設は自炊なので途中で買出しをしなくてはならないし、子供たちの体力を考えると昼過ぎぐらいまでしか温泉巡りはできない。それを考慮して、リーダーのtakayamaさんはコースを考案してくださった。

「最初の行き先は、上牧温泉にしましょう」
 年末の週末であるこの時期は立ち寄り湯はどこもかなり混雑するので、それを避けて「超」穴場を選んでくださったとのこと。しかも子連れなので休憩室のある小奇麗な施設を選んでくださったらしい。どんなところだろう。


 まずは再度高速に乗る。目指すは月夜野IC。見慣れた榛名山も赤城山もみるみる後ろへ過ぎていく。
 正面に聳えるのは水上や谷川の山々だろうか。雪を頂いた白い峰が青空に映える。なんて綺麗なんだろう。

 高速を降りると、道にもかなり雪が残っている。青灰色に濁る利根川に沿って291号線を北上すれば、やがて上牧温泉の表示が見えてくる。


 上牧風和の湯
 とても綺麗な外観。それなのに駐車場には車が一、二台停まっているばかり。
 これはほんっとうに穴場なんだわ。


 けれど駐車場の端には、温泉スタンドもあるし、それに何よりこの建物の前の道…ここだけ雪が無くって代わりに湯気がほんのり上がっているんですけど…。
 もしかして、もしかしなくても温泉、道路にも掛け流し?

 入り口を入って本当にびっくり。新しくてとても綺麗な施設なのだ。規模の割に広い和室休憩室もちゃんとあるし、トイレなどバリアフリーの車椅子対応だ。
 その上、受付しか人がいないよ。混んでるはずのこの時期に、私たちだけの貸切状態でいいの? すごーい、takayamaさん、素晴らしいチョイスです。本当に穴場なんですね。


 内湯はこんな感じ。それほど広くは無いけれど、でも貸切状態で入るなら十分広い。
 何よりここはデザインが綺麗。全体的に明るい大理石調で、隅の湯口から出たお湯は、扇の先から均等にあふれ出て床にさざなみを作って流れていく。視覚的に計算してあるんだね。
 露天風呂もあるけど、こっちは工夫がもうひとつかな。二面がコンクリで、残りの面も遮られている。外はまったく見えないし、屋根もあって開放感が無い。

 お湯は軽い灯油臭があって、無色透明。少しきしきし。源泉はちょっと熱いくらいだが、湯量をかなり絞ってあるので、浴槽は熱すぎない。露天風呂などかなりぬるめ。ゆっくり何時までも入っていられそうだが、あまりインパクトは無い感じ。


 ところが。
 ここの真髄は上がった後に判るのだった。
 体を拭き始めたとたんに判った。お肌がつるんつるんになっているのだ。このつるつる度は結構凄いかも。

 臭いや入浴中の肌触りと、この浴後のつるつる感、青森のロマントピア温泉に似ているかも。でも上牧温泉のほうがロマントピアよりもっとつるつるするし、さらにさらさら感もあって、川中温泉に近い気もする。
 うーんこれは、温泉スタンドで毎日汲んで、顔につけていたら、かなりの美人(美肌)になるとみた。

 おかげさまで休憩室もオフのメンバーで貸切状態。
 紺碧七さん、貴重な美味しい焼酎の味見をさせてくださってありがとうございました♪

 けれど子供づれの辛いところは、子供が飽きてくると、その場を退散せねばならないこと。騒がせるのは本意でないので、一度二手に分かれさせてもらうことにした。

 私たちはすぐ風和の湯を出て、7キロ手前のスーパー、ベイシアで食料買出し、その後、次の温泉へ。
 他の方たちはしばらく風和の湯で歓談した後、直接、次の温泉へ。

「takayamaさん、次の温泉はどちらですか?」
「バリ循(バリバリの循環湯って意味でいいのでしょうか…)、でもお湯はいいよ。そして食事がとても美味しいところ」
 バリ循(とりあえず使ってみる)でお湯がいい? でご飯が美味しい???
 期待と困惑(笑)。


 というところで、次の温泉にやってまいりました。
 こちら、奥平温泉 遊神の湯 遊神館

 風和の湯は勉強不足でまったく知らなかったが、遊神館はあちこちのガイドブックに名前が出ているので、聞いたことはある。滝のように湧き出るほど湯量が豊富らしいのにバリ循?(まだ言ってる)

 施設はかなり綺麗なだけでなく、大きい。かなり奥まったところにあるのに、設備が整っていそうだ。村営なので料金も良心的。
 既に時計は1時を回っているので、まずは食事にしよう。先に入っていた方々はもう昼食を済ませたようなので、何がお勧めか聞いてみた。
「遊神御膳」。


 右手前の白身の魚フライのようなものは、なんとナマズのから揚げ。
 左奥は鴨の刺身。
 本当に美味しかったー。用心深く、損なタイプの5歳のカナはナマズは一口も食べようとせず、何でもとりあえず試してみる派の3歳なりたてのレナは、はぐはぐと食べてしまった。

 それではお風呂の方へ。
 内湯はもうもうたる湯気で何も見えず(笑)。光がさんさんと差して明るい。普通の浴槽のほかに、薬湯、ジャグジー、打たせ湯などがある。どれも割とぬるめ設定。
 カナが打たせ湯で背中を打たせているのを見たレナは、マネをしようと落ちてくる湯の下に行くが、おちびさんなので、つい頭頂部で湯を受けてしまう。大笑いだ。


 露天風呂はこんな感じ。
 ちょうど青空の下、ほっこりと雪が積もっていい感じ。
 木のやぐらが組んであるので、悪天候には屋根を掛けたりするのだろうか。

 お湯は無色透明。ごく細かい白い湯の花が浮いている。
 臭いは淡い灯油臭のようなものと、同じく淡いカルキ臭。軽いきしきし感。
 浴槽の底で強力に吸入しているから踏むと足が痛いかも。
 単純泉で循環しているのに浴感があるっていうのは、実は凄いことなのだろうか?

 この日はここも何故かただの平日より空いていたらしい。takayamaさん曰く、いつもは休憩室に空いた席が無いほど混雑しているとか。
 お風呂でも数えるほどしか人に会わなかった。それも女湯は子供づればかりだったので助かった。
 我が家の子供たちは、ここの露天風呂ですっかり雪遊びにはまってしまった。積もった雪でいろいろ作って遊び、冷えてくると露天風呂に入る。その繰り返し。あまり長いことやっていたので、二人とも髪の毛が凍って白髪のようだった。

 というところで、ここでみなさんとお別れ。
 takayamaさん、紺碧七さん、こばちゃん、ないしょさん、ひでさん、本当にありがとうございました。足手まといな我が家に行動をあわせてくださって感謝します。


 奥平温泉から山越えで榛名湖へ。
 つくころには日はとっぷりと暮れて微かな夕焼け。明日も晴れるだろうか。
 子供たちは車の中で熟睡。カナは着いたらすぐ目を覚ましたけど。


 
 さて、今夜の夕食は蟹鍋。
 お米は群馬のゴロピカリ。前にも榛名湖日記で紹介したが、このネーミングセンス、抜群。

 朝4時おきだったから眠いかも。
 今日はもう、おやすみなさい。

つづく

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