9.安眠の湯
パパにはゆっくり一人で入ってもらうことにして、子供たちは女湯へ連れて行った。
ここは、「自分の意思で排泄がコントロールできない人とオムツの人は入浴禁止」としていて、赤ちゃんだけでなく、排泄コントロールの困難な高齢者も意識した張り紙がある。よってもちろん脱衣所にベビーベッドなどは無い。
お風呂は多彩で、内湯には普通の四角い浴槽、イベント湯(この日は桜湯)、ジャグジー(寝湯と立ち湯)、水風呂、サウナ二種類、露天風呂には檜の浴槽、岩風呂、三つ並んだつぼ湯といろいろある。
このうち、温泉を掛け流しで使用しているのは露天風呂の檜と三つのつぼ、温泉を循環で使用しているのは露天風呂の岩風呂と内湯の四角い浴槽になる。残りは水道水だ。
暗くなりかけていたのでお湯の色はよく判らない。もしかしたら少し黄色っぽいのかもしれない。
カルキ臭がするのが掛け流しとしては致命的だが、あまり特徴のない塩っぽい味で、即効性は無いがよく温まる。非常にベタベタするお湯で、完全に乾かないとすべすべ感は得られない。
安眠の湯には何だかあまり良い印象の無いような書き方をしたが、施設はとても良いと思う。つぼの浴槽など埼玉の
古代蓮物語を思い出したが、露天風呂はゆったりしていてこちらの方がずっといい。施設の雰囲気も全体的にこちらの方が良い。お湯に限って言えばカルキ臭云々を別にしても古代蓮の方が好きだが。
お湯に拘らなければここってなかなかかも。
夜は露天風呂はほのかにライトアップされて、BGMは何故かオルゴール。お湯はどれも温めだし、浅い浴槽が多いので、オムツの取れていない乳児は入れなくても幼児ぐらいになると楽しく入れそうだ。
家の近くにこのレベルのスーパー銭湯とかあると嬉しいなぁ。
案の定、子供たちははまって、上がったらパパに一時間も待ったぞと言われてしまった。
彼は先に休憩室で寛いでいた。
時間も夜7時を回っているので食事もしていこう。サラダうどんとうな丼を頼む。うな丼は子供たちの口の中へ。サラダうどんは期待していなかったけど、びっくりするほど美味しかった。
群馬って、蕎麦も美味しいけど、うどんも美味しい。
それにしてもここのうどんはいけるよ。
待ち疲れたパパがもう一風呂浴びてから帰るというと、子供たちももう一回入ると言う。先月の
初穂の湯と同じパターンじゃない。
もう一度浴室へ。8時半には上がるからねと約束させ、好きにお風呂を選ばせる。
気に入らない温泉は服も脱がないくせに、気に入ると際限が無いのが子供たち。