子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★★ 泉質★★★★★ 湯はぬるめ、温度調節にも気を配っている
- 設備★★★★★ 雰囲気★☆☆☆☆ 乳児連れのために水中で使用できるオムツ「ベビースイマー」を380円で販売。また脱衣所に折畳み式のオムツ台を設置してある。
子連れ家族のための温泉ポイント
古代蓮物語とは、温泉施設として面白い名称だ。行田市は埼玉北部にあり、埼玉県名発祥の地といわれている。ここで昭和46年、地中で永い眠りについていた種子が公共工事の際に出土し、 自然発芽して開花したのが行田蓮(ぎょうだはす)。別名古代蓮と呼ばれる1400年~3000年前の蓮なのだそうだ。花弁は大型で紅色、行田市の指定天然記念物になっている。
さて、この行田天然温泉も、古代蓮と同様、長い時間を経て地上に出てきたということで、古代蓮にあやかり「古代蓮物語」と名づけたそうだ。
古代蓮物語は昨年末にオープンしたばかりの新しい温泉だが、いろいろな方に良いところだからぜひ行ってみてはと薦められていた。泉温が33.3度と低めながら内湯、
露天風呂ともに掛け流しているというのだ。埼玉の温泉で掛け流しというのはなかなかに貴重だ。
とはいえ、行田は東京から行く場合、宿泊する距離ではないし日帰りには遠い。どうもこれまで行く機会に恵まれなかった。
今回、毎年苺狩りに行っている佐野の農園「いちご畑」からキャンペーンのダイレクトメールをもらって、苺狩りの帰りに古代蓮物語に立ち寄るプランを考えてみた。
JA安佐のいちご畑で苺狩りをし、佐野厄除け大師にお参りをしてお昼は佐野ラーメンに舌鼓、最後は温泉で締めくくろうと、こういうわけだ。
おりしも曇天で、さらに佐野を出るときに大粒の雨も降り出した。
景観の良い露天風呂に赴くわけではないから、別に悪天候でも良いのだが、屋根の無い浴槽は少々辛いかも。
雨の中、古代蓮物語に到着し、駐車場に車を入れた。土曜日の午後ということで、既に駐車場はほとんど満車状態だ。
イメージキャラクターが江戸時代風のファミリーだけあって、館内もどことなく時代劇調を意識して作られているようだ。入り口脇に足湯があるあたり、当世風かな。
入って思ったのは、非常に統一感をもって綺麗に作られているが、来客数に対して何もかも狭すぎるということ。それは繁盛しているというのもあるが、
何でもかんでもいいと思うものを詰め込みすぎているからなのだろうと思う。これは浴室も同様だ。
新しい施設だというのもあり、清潔度は高い。脱衣所にベビーベッドは無いが、折りたたみ式のオムツ台が用意されている。
何より排泄がコントロールできない乳児のために、「ベビースイマー」という水中用オムツ(本来水泳用で水中でも漏れない)が380円で販売されているので、乳児連れは積極的に利用したい。
内湯の主浴槽は深い部分と浅い部分と有り、深いほうに「ゆずりあいコーナー」とあり、乳幼児はここを利用してほしいとの注意書きがあった。
なぜ浅い方ではなく深いほうに? ゆずりあいとはどういう意味? と思ったが、これは率直に言うとオムツの取れていない赤ちゃんは、廃湯口側で入浴させてほしいということなのだ。
子連れの誰しも、赤ちゃんなら何をしても許されるなんて思っていないはず、しかし、施設側もいろいろと悩み、考えているのだ。
(私自身の赤ちゃん連れ入浴アドバイスはこちら)
一律に乳幼児入館禁止とせず、こうして前向きに
対処してくださる施設には大変感謝している(ただ、ゆずりあいコーナーと書かれているだけでは、意味がわからず利用し難いところもある)。
(注 施設側から、浴槽の浅い部分は熱い湯が出てくるため、深いほうを乳幼児向けとしたとの回答を頂きました。ありがとうございます。)
内湯、露天風呂ともに、いろいろな種類の浴槽がある。スーパー銭湯や健康ランド的。私は少々落ち着かなかったが、楽しいと思う人も多いだろう。子供たちも目移りして、
なかなか一箇所に落ち着こうとしなかった。
全ての浴槽に、源泉加熱掛け流し、または井泉加熱循環といった表示が付いている。お湯の温度も露天風呂のあつ湯をのぞき温めで子供づれに有難い。施設の方もまめに温度チェックをされているようだ。
お湯はやや黄緑色に濁った感じで、湯の花などは特に無かった。カルキ臭がすると聞いていたが、掛け流し浴槽では私には感知できなかった。かわりに、ごく淡い鉱物的なオイル臭がする。 湯口ではどちらかというと鮮度の良い金属臭もある。純重曹泉に近い単純泉とのことで、肌も少し入っていると非常にすべすべしてくる。とても良い湯だと思う(しかもまもなく掛け流し浴槽は塩素以外の 消毒法に切り替えるらしい)。
湯上りには階段下のキッズスペースでちょっと子供を遊ばせることもできる。二階には狭いながらも畳の寛ぎどころもある。休日料金が少々痛いが、これからもこのお湯を大事に使っていってほしい施設だと 感じた。