24.空からのマリーバ観光案内
マイクロライトはさっきも書いたように、三角形のカイト型の大きな翼があるところはちょうどハンググライダーをイメージしてもらうと判りやすい。その下にバイクの座席のようなシートが付いていて、座席の後ろにはエンジンとプロペラが付いている。
エンジンとプロペラで推進力を生み出しているわけだが、浮力と舵取りは翼の役割らしい。この翼、別に車のハンドルのようなものがついているわけでもなんでもなく、パイロットがヨットを操るみたいにバーを握って左右に動かしているだけ。非常に原始的だ。
地上では穏やかに感じられたが、吹き飛ばされそうなほど上空の風は強く、突風が吹いたらあっと言う間にきりもみ状態になってしまったり・・・しないの? と心配になる。
パイロットが時々あれは何だとか説明してくれているのだが、ヘルメットがちょっとずれるとヘッドホンもずれてしまってなかなか聞き取れない。そうでなくても英語が不自由なのに。
右手はカメラ、左手は座席にしがみついているのでヘルメットを正す余裕がない。
やっと落ち着いてきて左手を放すことができた。
えーと、なになに?
「シュガー」
「えっ、シュガーケイン?」
「yes」
ぎっしりと緑色の目の詰まった絨毯みたいなのはさとうきび畑か。
同心円状に細いラインが見える。あれはもしかしたらさとうきびに撒水するための世界最大級スプリンクラーが通る道筋かな。
「マンゴツリー」
へー、あれはマンゴー畑か。気持ち悪いくらい完璧に等間隔で植えられていてフランス庭園も真っ青。
「レイク・ミッチェル」
指さす方に遠くアメーバのような形をした湖が見える。
後でwillieさんに教えてもらったが、
ミッチェル湖というのは人造湖なのだそうだ。それも個人が趣味で川を堰き止めて作ったという。willieさんは凄い道楽ですよねと言っていたが、ホント、スケールが違う。
人工的にダムで川を堰き止めているせいか、季節によって水量がずいぶん違うのだそうだ。私が横を通ったときは乾期だったためかそれほど大きい湖には見えなかった。
ちなみにwillieさんはミッチェル湖で馬を見たことがないと言う。私が見たときにいたあの馬は何だったんだろう。未だに謎だ。
「あれはクロコダイル・ファーム」
おや、
マリーバにもクロコダイルファームがあるのか。
今までパームコーブと
ポートダグラスの間にある
ハートレーズ・クロコダイルファームとイニスフェイルにある
ジョンストンリバー・クロコダイルファームには行ったことがある。
ケアンズのすぐ南、ヤラバーの半島の根元にもケアンズ・クロコダイルファームがあるのも知っている。でもマリーバにもあるとは知らなかった。
後で調べたらMelaleucaクロコダイルファームというところで、月曜から金曜の10時から12時まで見学ツアーも受け入れているようだ。
「ゴーカート」
わー、本当だ、ゴーカートのコースがある。
「ロデオ大会のトラック」
あっ、懐かしい。行ったことあるよ、私、
マリーバのロデオ大会に。
そうそうあそこだった。移動遊園地も来ていたんだよね。
こうしてみると、結構マリーバの観光地って回っている。
「ゴルフ場、カンガルーで有名だよ」
本当だー、カンガルーのゴルフ場だ。えーと今日はカンガルーいるかな? いるかな?
木とグリーンはよく見えるけど、上空からはカンガルーが見つけられない。気球の時もそうだった。カンガルーが見えることが多いと聞いたが残念ながらその日は見つけられなかった。
今日も不発か? いるときは呆れるほど沢山いるのに。
このときはゴルフ場にカンガルーの姿を見つけられなかったが、実は奥の方にやっぱりいた。この後私たちは地上からゴルフ場へ向かったのだ。
まあ先回りするのはやめて空中に戻ろう。
「バロン・リバーだよ」
巾着みたいに蛇行している。
バロン川と言えばラフティングやカモノハシ探しで知られているがマリーバからキュランダを経由してケアンズまで流れていく。ちょうど鉄道の線路がバロン川に沿うように造られているのでキュランダ観光鉄道の最大のビュースポットはバロン川のバロン滝だ。