セイケイに逃げられた後、みんなで観察小屋に入った。
小屋は二階建てになっていたが私たちは上の階に入った。
小屋と言っても屋根のついたこぢんまりとした展望台のようなもので、硝子のはまっていない窓から鳥を驚かさないように観察できるようになっている。
「この観察小屋は無料ですが、団体で使用するときにはきちんと許可を取らなくてはなりません。人数や使用時間などを細かく決めた上で申請する必要があります」
「個人での利用は問題ないんですか? 家族や友人とバードウォッチングに来るとか」
「そういう場合は自由に使って良いことになっています」
良かった。じゃ、今の私たちはOKね。
「ここだけでなくて
マリーバウェットランドや
ミッチェル湖も同じなんですが、湿原は鳥の当たり外れが大きいです。鳥の多い場所や時間といったポイントはあるんですが、いるときはわんさといるのにいないときはぱったりという感じで行ってみないと判らないことが多いです」
この日は鳥自体はそこそこいたが、全部観察小屋から一番遠い対岸に集まっていたので、そういう意味では不発だったらしい。
ヘイスティー湿地の池は、どこからも水が流れ込まずどこにも水が流れていかず、貯まっているのは雨水だけだと思われるのにほとんど水位が変動しないのだそうだ。
「下から湧いているんでしょうか?」
「かもしれませんね」
そしてさらにwillieさんは「水の減ることがないから、乾期で他の場所に水が無くなれば無くなるほどここに鳥が集まるんですよ」と教えてくれた。