私たちを乗せたwillieさんの車はがたがたと音を立て、小刻みに揺れながら乾いたLandロードを走っている。
「この道も数日前とは比べものにならないほど整備されましたよ。ここ何日かで綺麗にしたんじゃないかな。正直こないだ来たときは凄い道で、雨期にはとてもアクセスできないんじゃないかと思いました」
えーっ。今でも普通車で何とかという道なのに、雨期にはどうやってローズガムズに泊まればいいの?
「今年は雨期はもう明けたんですか?」
「ここ10日ぐらい晴れが続いています。去年は酷かったですよ。雨がずっと降っていて7月ぐらいまでじめじめしていました。サイクロンも来たしね」
一昨年は今年と同じ時期に
ケアンズに来て、滞在中に雨期が明けた。初日、二日目ぐらいまでじめじめしていてそれから急に晴れ始めた。年によってずいぶんずれがあるようだ。来られなかったのが去年で良かったかもしれない。
「でも雨が足りているのはケアンズぐらいで・・・オーストラリア南方の干ばつは酷いし、ゴールドコースト辺りでも下水を浄化し、飲用として再利用する住民投票が行われると言っていたけど撤回されました。もうせっぱ詰まってそれどころじゃないということですね。水不足のニュースが出ると、ケアンズがよく比較されるんですよ。ここだけはこんなに降っているって。ケアンズの水道料はよほど大量に使う場合を除いてタダ同然なんです」
ケアンズに雨が降らなくなったら終わりだ。
メルボルン辺りの干ばつは最近テレビで特集していた。畑も何も干上がってからからの状態だった。一時的なものなのか、今後ずっと続くのか。
「東京の気候も変ですよ。最近、熱帯化しています。夏場の気温も異常だけど、スコールとしか思えない雨がよく降るんです。昔から夏は夕立がありましたけど、最近は春でも真っ昼間でも突然暗くなって雷が鳴ってバケツをひっくり返したみたいに降り始めます。今回の出発日の昼間もいきなり来ましたよ、スコール」と私。
車が舗装路に出て、ユンガブラを通過したときだ。
広場に賑わいが見えてきた。
マーケットを開催している。
実は
アサートン高原のユンガブラでは毎月第四土曜日の朝7時から昼の12時までユンガブラマーケットを開いている。
最初、旅行の日にちを間違えて考えていた私は、ローズガムズをチェックアウトする日の朝に寄っていきたいと計画していた。
でもよく考えたら土曜日はwillieさんのツアーをお願いした今日だった。
オーストラリア行きの直行便は夜便なので、日本出発日と現地到着日が1日ずれている。よく間違えちゃう、でもそれは私だけかも。
「結構大きなマーケットで、近隣の町からもお客さんが来るみたいですよ」とwillieさんが教えてくれた。
確かに見たところ
ポートダグラスのサンデーマーケットより規模が大きいように見える。
もう第四土曜日にテーブルランドで宿泊する機会は巡ってこないかな。もし日程が合えば次回こそ。