ユンガブラは通過するだけで、willieさんの車の行き先はマランダだった。
「もう来たことがある場所かもしれませんね」とwillieさんが言ったが、いや、マランダでは
マランダ・デイリーセンターしか行ったことがない。
車が停まったのはマランダフォールズの入り口だった。
駐車場の横にインフォメーションマークの付いたビジターセンターが建っている。ツリーカンガルーという名前のカフェもあるらしい。
「
ケアンズ周辺には良い森が沢山ありますが、ここは道路から近くアクセスが容易でしかも樹影が濃くてなかなかいいところなんです。以前はもっと暗くて光が届かない森だったんですが、去年のサイクロンでずいぶん樹冠が飛ばされてしまいかなり明るくなってしまいました。それでもまだまだ沢山の生き物が見られますよ」
willieさんは車のトランクケースから大きな双眼鏡や三脚を取り出した。
「さあ行きましょう」