3.世界遺産の森に泊まる
次に考えたのは森だった。
ケアンズの世界遺産と言えば、グレートバリアリーフの他にもう一つある。
それはクイーンズランド州の湿潤熱帯地域だ。
ケアンズ周辺の森は、世界で最も古い森なのだ。太古からその姿を変えていない貴重な自然遺産だ。
そんな熱帯雨林の中にある眺めの良い宿はどうだろう。
これまたちょうど気になっていた宿がある。
Mt.Quincan Crater
Retreat。
ケアンズの西に
アサートンテーブルランドという高原地帯がある。
Mt.Quincan
Crater
Retreatは愛用しているテーブルランドの無料冊子Discoverの目立つところに毎回広告を載せていて、その写真がまたそそるのだ。
カップルの立つバルコニーからは手つかずの森を見下ろし、ウッディな家具と眺めの良い大きなバスタブがある。
何だか凄く素敵。
絶対こんなところに泊まってみたい。
もうここしかないと思いこんで公式サイトを調べてみれば・・・retreat
for adults
onlyの一文。
ががーん。
ここはお子さまお断りアコモだった。
二度目のショックに目の前真っ暗。
今度こそ今度こそここしかないと思ったのに。
Mt.Quincan
Crater Retreatではお子さま連れやグループ客のために少し離れた川沿いにあるRivers Edge Rainforest
Retreatというアコモを紹介している。
しかしとにかく森を見下ろすというロケーションに惚れ込んでいた私は森の中にあるコテージでは満足できなかった。
仕方なく再びテーブルランド近郊のアコモを紹介する現地のサイトなどを見て回る。
そのうちに何となく判ってきた。
テーブルランドのアコモの中にはクラシカルな雰囲気で売っているところと、眺めの良いツリーハウス系で売っているところとある。
だからもう何年もMt.Quincanにばかり目がいっていて気がつかなかったが、同じ様なパターンの木の上のハウスは他にもいくつかあるようだ。これらのお約束は樹上のバルコニーに加えて、ジャクージ設備のある眺めの良い大きなバスと薪をくべる本物の暖炉。
Mt.Quincanの次に目に付いたのはここだった。
Rose Gums Wilderness
Retreat。
ローズガムズ。
Mt.Quincan以上に周辺の森が深そうだ。
どんなところか評判を知りたいと思い、検索エンジンに日本語で「ローズガム」と入れても出てくるのは薔薇味のガムの評判ばかり。一ヶ所オセアニアのアコモを仲介する日本の代理店のサイトが引っかかったが、そこには「上記のロッジは世界的な著名人も多く利用される限られた部屋数の小規模で静かな雰囲気を重要視します。従ってお子様同伴を拒否される場合がありますので予めご了承ください。」という注意書きが。
またですか?
いやいや、なんの。
ローズガムズの公式サイトにはChildren
are very
welcome.とある。
ほら、お子さま大歓迎だってよ。
オプションの貸し出しにも子供用の高い椅子だとか子供用のバックパックだとか書いてあるし、何よりお風呂場の写真、うちの娘たちぐらいの年頃の子どもたちがにこにこと入っているものを飾ってある。
これでお子さま拒否はありえないだろう。
そもそも子連れで宿泊するとき一番気を遣うのは、子供が走り回ったり大きな声を出したりすること。
狭い高層ホテルなんかだと気が気じゃない。
こういう森の中の一軒家タイプのコテージこそ、子供連れ歓迎であってほしい。
よし。ここだ、今度こそここしかない。