ポートダグラス楽園日誌2004 9-1


1.バイバイ、楽しい時間をありがとう

 最終日 7月22日(木)


 今日のケアンズは雨なのだそうだ。
 パパが朝、天気予報を見てそう言った。
 でも嘘みたい。
 こんなに晴れているのに。
 パパは、晴れ娘のカナとレナがテイクオフしたら、ケアンズには雨が降るんだと言う。

 確かに乾期と言うには今年のケアンズは少し雲が多かったかもしれない。
 私たちが出発する前はさらに曇りの日や雨の日もあって、例年になく寒かったと聞く。
 だけど滞在中は連日明るい日差しに恵まれた。
 朝、ポートダグラスで雨が降った日だって、モスマンで綺麗な虹を見せてくれて、行き先のマリーバはいいお天気だった。
 心配していた熱気球のツアーの日や、グレートバリアリーフクルーズの日なんか、雲一つないような完璧な快晴だった。まるで計算し尽くされたような天候だった。
 毎日毎日、空を見て、緑を見て、鳥や珊瑚礁の海を見ていた。
 鳥の声で目覚め、満天の星に見守られて眠りにつく、そんな休日も今日で終わりだ。

 4時にはレナが泣いて大人は目を覚まし、5時にはカナが起きた。
 本当にゆっくり寝かせてくれないのね。

 昨夜荷物は全部まとめてあった。
 悩んだのは到着日にLさんが交渉してリッジスからもらった二つのお砂場セット。持って帰るにはかさばるし、捨てるには忍びない。
 結局ヴィラの隣室の庭のテーブルにそうっと置いておいた。隣は私たちが来る前から滞在しているオージーの三世代ファミリーがいる。
 ファミリーの子供はお姉ちゃんと弟の二人で、特に弟は腕白坊や。庭がこちらと繋がっているので、よく庭で走り回ったり椰子の実を割ったりしている姿が見えていた。
 朝になると、その腕白坊やが置いておいたお砂場セットで遊んでいる姿が見えた。
 後からおばあちゃんが姿を現し、そっと、「あのお砂場セットはあなた達のでしょ? いいの?」と心配そうに言ってきた。
 いいんです。
 今日、私たちは帰国します。
 飛行機で持って帰れないんです。良かったらもらってやって下さい。


最後の朝食
さあ、食べ尽くそう
このテーブルを囲んでご飯を食べるのも今日まで
さようなら、私たちと8日間を過ごした部屋
リッジスのヴィラ、144号室


 朝御飯は残っていた食料をできるだけ食べ尽くす。
 パン、ヨーグルト、シリアル、ミルク、スープ、ゼリー・・・。
 それから後かたづけをして、チェックアウト。
 ホテルからモーニングコールやエアポートシャトルをどうするかと昨日聞かれたけど全部断ってある。
 7時45分には部屋を出た。
 車でホテル棟まで行ってチェックアウトしていると、ちょうどロビーに数日前ムンディーズ前で一緒に遊んだファミリーがいた。
 やんちゃなオージーボーイJ君はすぐにこっちに気づいて手を振ってくれた。
 バイバイ。楽しい時間をありがとう。



9-2.セントメアリーズバイザシー教会へ続く


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