肘折温泉三浦屋旅館

子連れ家族のための温泉ポイント

肘折温泉三浦屋旅館体験レポート

その時はけっこう心が折れていた。何故なら肘折温泉街を歩きながら、やたらと「日帰り休止中」の張り紙が目に付いた日だったから。

雨の肘折温泉街

私たちが泊まる「湯宿元河原湯」もたまたまお湯の入れ替えで休止していたし、いつも日帰りを受け入れてくれるイメージだった「若松屋村井六助旅館」も本日日帰り休止の張り紙が出ていた。

若松屋村井六助旅館の日帰り中止の張り紙

極めつけは、玄関前の源泉がいつも気になっていた「大友屋旅館」で日帰りしているか聞いたところ、うちは今日はしていないというだけでなく「肘折温泉は今、どこも日帰りはしていませんよ」と言い切られてしまったことだ。

大友屋旅館の足湯と源泉

あそこもここもダメだったと思った矢先なので、すっかり絶望感に包まれてしまった。実際は日帰りを受け付けている旅館もまだまだあったのではないかと思うが、この時は心が折れて、他の旅館に聞いてみる気持ちが萎えてしまった。

三浦屋旅館

いや、待てよ。さっき「三浦屋旅館」の前を通った時、湯巡り可の札が出ていたような気がする。もしかしたら出しっぱなしなだけで、「大友屋旅館」の言葉が本当なら断られるかもしれないけど。

それで半分諦め気分に支配されながら、「三浦屋旅館」の戸をたたいた（表現の問題で、実際は中に入ってすいませんと声を張り上げた）。

1回呼んでも返事はなく、これでだめならもう帰ろうと2回目を呼んでみたら返事があった。ご主人が出てきて、快く日帰りを受け付けてくれる。絶望に駆られていた心が、大きく安どのため息をついた。

さて、「三浦屋旅館」の女湯浴室は壁のパネルがインパクト大。今日は天気が悪いから、ちょうどこんな青空を見たかった。

女湯

お湯は群青色＋深緑。44度ぐらいかな、掛け湯の時は熱く感じたが、入ればそれほどでもなくゆったり入れる。

青空に霧氷の木々

なめらかを通り越して、すべすべが強い。金属臭もはっきりしているが、削りたてのピュアなにおいではなく、土のにおいと混ざった鈍い感じ。いろいろ太く土臭くどっしりとした印象のお湯だった。

入り口から見て、湯口は浴槽の左奥だが、右奥に謎の冷水が出ているパイプがある。飲んでみると冷たく、ぬったりしない系の舌触り。

浴室の山水

湯上がりにご主人に聞いてみると、山の水で暑い時は飲んでもいいって。良かった、それを聞く前に飲んじゃったけど、飲んでもいいやつだった。

湯上がりは爽やかにさっぱり。でも体の中からポカポカする。三浦屋さんのおかげで、救われた。