子連れ家族のための温泉ポイント
- 湯温★★★★☆ 泉質★★★★☆ 塩泉なので長湯に注意
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★☆☆ 脱衣所にベビーベッド代わりになるイスあり
子連れ家族のための温泉ポイント
八丈島の温泉の中でも穴場的な存在。温泉巡りでも後回しにされがち。絶景露天風呂のみはらしの湯、ジャングル風呂の裏見ヶ滝温泉はもとより、露天風呂も備えたふれあいの湯や、スパ設備を備えた奇抜な建物のザ・BOONと比べても際立つ個性というものは見当たらない。でもそれはそれ、ここにはここのいい湯が湧いている。強塩泉に辛くなったときにもホッとするような、塩分控えめさもありがたい。
穴場故に落ち着ける、そんな町営日帰り温泉がやすらぎの湯。
前日に温泉1日周遊券を使って八丈島の有料温泉を一回りしてきたが、あいにくと木曜日だったので、やすらぎの湯だけは定休日で入れなかった。島内某所では、一ヶ所抜けてしまったスタンプを見て、一番入らなくていいのはここ(やすらぎの湯)だから大丈夫と散々な言われよう。なんでも浴室も小さくてシャワーのお湯が湯船まで届きそうだし、お湯は透明だからと。まあそれも、特徴のある温泉、設備の整った温泉を求めてくる観光客に向けての言葉だったのだろう。
中之郷地区の海の側に建つやすらぎの湯は、別段鄙びているわけでもB級が入っているわけでも無い。少し小ぢんまりとしているが、十分に綺麗な日帰り温泉だ。ここも駐車場の一角に源泉井戸があってお湯の鮮度も期待できる。
小さいと言われた浴室だが、十分な広さがあった。何より浴槽が木製なのが嬉しい。縁だけじゃなくて底まで全部板張り。すっきり無色透明の綺麗なお湯だ。
あまりにおいはせず、どちらかというときしつく肌触りの中に滑る感触も。ガラス越しに陽が差すと屈折した光がきらきらとプリズムになる。甘じょっばさはあるが、八丈島の他の温泉に比べると塩辛くない。傷にも沁みない。
そういえば休日明けの一番風呂になるんだな。お湯が新鮮なはずだ。空気を含んだ底板の節からぷくぷくと小さな泡が立ち上っている。
透明なのであっさりしているように思えるお湯だが、いやいやどっかりと疲れを感じるほどにパワーがある。めちゃめちゃあったまるし入った感が凄い。湯上りは少しぺとぺとする。
源泉温度は44~45度とそのまま入るには僅かに高い。湯口から注がれる源泉は最初から加水調整済みだが、冬季はほぼ加水無しと考えても良い。パイプを通って駐車場をまたいで来る間に少し冷めてちょうどよくなるからねとのこと。
窓は全部閉まっていたが、開け放てば海が見える。天気が良ければ青ヶ島まで見える日もあるそうだ。今日は見えないが、左手に遠く藍ヶ浜に波しぶきが上がるのが見える。車で藍ヶ浜まで行けば、このやすらぎの湯の温泉を利用した足湯もある。そこからぼーっと西の海を眺めながら物思いにふけるのもいい。